赤飯(ルサ)


*生理ネタ!!













「お腹…痛い…」

突然、ゆっくりとしゃがみ込んだ彼女。
下腹部を押さえ、1ミリも動かない彼女の顔色は良くない。

「え…、大丈夫…?」

そんな風な状態の彼女を初めて見るものだから、流石に心配になって彼女の背中を摩る。

「吐きそう?」
「ううん、お腹痛いだけ」
「昨日何か変な物でも食べた?」
「食べとらん…っつ…」

本当に辛そうだった。

「とりあえず、家に戻ろう」
「ん…」



RURUをボールから出し、そのままの体勢の方が楽かと思い、サファイアをお姫様抱っこの形で抱き上げる。
普段ならギャアギャアと騒ぐ彼女だが、今回はそれが出来ない程弱っていたようで、一言も声を上げなかった。


とうとう彼女にもその時期が来たか、と確信した。
それと同時に、博士がこのことについて教えているのだろうか、という不安もよぎった。



「RURU、サファイアの家までテレポート!」








****************************

家の中に入り、彼女をトイレの前で降ろす。

「サファイア、とりあえずトイレ行って」
「…は?なして??」

疑問を投げかける彼女は、明らかに?マークを頭の上に浮かべていた。

「…いいから」

若干強引に彼女をトイレの扉の向こう側にやり、バタンと扉を閉めた。


数秒後に聞こえた彼女の悲鳴に、ボクは頭を抱えた。


「やっぱり教えてなかったか…」














「ルビー…、ち…っ血が…!!あたし病気になってしもうたとやろか…!?」

トイレから出て、どうしようとあたふたしている彼女。
そんな彼女を、ちょっとだけつついてみようかな、という悪い考えに従順に従う。


「…そうだろうね」
「えっ!?」

明らかにショックを受けた顔をして、涙目でボクの方を見る藍い目。

期待通りの反応に、思わずポーカーフェイスが崩れそうになったが、そこを何とか耐える。
そして深刻そうな顔をして、こう続けた。

「もしかしたら…、もう手遅れだったりして…」
「ど…っどげんしようルビー!!あたしまだ死にたくなか…っぅう…ぐすっ…!!」

どうやら、嘘だと気付かず本気にしてしまったようで、とうとう泣き出してしまった。

やれやれ、ここまで無知だと、博士もだけど、サファイアも咎めたくなるよ。

「サファイア、うそうそ、Jokeさ!!」
「う…??」

イマイチ状況が理解出来ていないのか、彼女は未だに涙をボロボロと零しながら小首を傾げた。

「あのね、サファイアは…女性は、血が出るのが普通なんだよ」
「?どういう…??」


果たして男のボクが言ってもいいものか。
…いや、そもそも教えていないオダマキ博士が悪い。

「月に一度、女性は子供を産む身体をつくる為に、"生理"っていうのが来るんだ」
「…??」
「で、その時に赤ちゃんの寝床になる所から出血するんだよ。痛みを伴う時もある」
「…そうなん??」
「うん」
「あたし、せいりになったと?」
「そうだね」
「じゃあ、あたしは大人に近付いたっちコトやね!!だって、赤ちゃん産めるとやろ?」
「うん。…あ、勿論ボクの赤ちゃん産んでくれるよね、サファイア?」
「へっ!?///」

さっきまでの泣き顔から一転、湯気が出そうな程真っ赤になった、彼女の顔。

「そ…それは…っ///」
「そっか、嫌なんだ…」
「ぇ、あ…う〜…///」
「とりあえず、ボクのママと買い物しなきゃ。女性同士の方が楽でしょ??」
「え、うん…??」

またもや理解しきっていない彼女をボクの家まで引っ張り事情を説明してママに預け、行ってらっしゃいと見送った。


その後すぐさま餅米と小豆を買い、キッチンへと向かう。
無地の深紅のエプシロンをして、さぁ、準備は万端。



「さて…、今夜はお赤飯炊かなきゃ♪」





大人に一歩近付いた、13歳のキミの為に。














*****あとがき***************
生理ネタですみません(笑)
一度書いてみたかったんです^^;
サファイアが何も知らないのをいいコトに、ルビーがおちょくってたら楽しいなとか思いながら*^^*
買い物に行く時、ルビーママは自分の予備の分をサファイアにあげたので、ご安心を♪
オダマキ博士は、勿論ルビーにひどく叱られました(笑)
その日の夜は、オダマキ家・センリ家合同で赤飯パーティーをしました←
パーティー好きね、センリ家よ。

 










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