逃げられないA
「…へ?」
「だーかーらー、こっちに来てって言ってるの。」
え? こっちに来てって…えぇ!?
さらに、顔に熱が集まるのがわかる。でも、あたしはどーすることも出来ずに(出来る訳無い!)、突っ立ってるままでいた……、そしたら―――
グイッ
「ふ、ふぇ!?」
ポスッ…ギュッ……
急に腕を引かれ、何かに倒れ込み、そのまま強く抱きしめられる。 誰がやったのか、何て問うだけ無駄。だって、この部屋には、あたしと…彼しかいないのだから。
「ルビー、なして急に…「サファイア…何で君はそんなに可愛いの?」
頭の上からあたしの声を遮って、声が降ってくる。 と同時に、さらに強く抱きしめられる。
「か、かわっ……」
可愛い、と言う単語と、ルビーに抱きしめられてるという状況に、心臓が過剰反応してしまう。 静まれ心臓!彼にばれてしまいそうだし、死んじゃいそう…
でも動悸は一向に治まる気配もなく、顔も熱い。
「ね、キス…してもいい?」
彼が少し腕の力を緩めてあたしの顔を覗き込みながら聞く。 彼の紅色にあたしの藍色が映る。
キスしてもいいか、なんて…
「な、なして…そんな事……」
何で聞くの!? 恥ずかしくって、恥ずかしくって、彼の瞳から逃げたい気持ちが沸き起こる。この、ドキドキと激しい鼓動を抑えるために、目をギュッと閉じる。
「…まぁ、嫌って言っても、するんだけどね。」
可愛すぎるサファイアが悪い!と、ボソッっと言ったっ同時に、唇に、独特の柔らかい感触が降ってくる。 んっ…、と身をよじると、さらに深くなる―――。
バァン!
「!?」
部屋のドアが勢いよく開いた。
「おぃ、ルビー!呼んでるんだからいい加減…………何やってるんだ!?」
入って来たのは…ルビーの父さんである、センリさん。 ジム帰り…ぽい。
ルビーはセンリさんを見て、舌打ちしながら、おもむろに、あたしから唇を離す。 あたしは、急な展開に、フリーズ。見られた!?とか、どうしよう…とか、考える暇もなく。
「ノックぐらいして下さいよ。何をしてたかぐらい、見てわかりません? …後、何の用ですか?」
ルビーは淡々と喋る。
「オダマキがお前を捜してたんだ。さっさと行け。
…あんまり盛るなよ。」
センリさんはそう言って、部屋を出ていった。 ルビーはそれを睨み付けるようにしばらく眺めた後、あたしの方を見て、
「…サファイア、嫌だった?父さんに見られちゃってごめんね……。 あ、僕行かなきゃいけないみたいだから、RURUで送るよ。」
と、ボールからRURUちゃんを出して言った。
…嫌な訳無い。 だって、あたしはルビーのこと……
「全然嫌じゃなかと…よ? まぁ、センリさんに見つかったのはビックリしたち。 でも、あたし…ルビーの事す……」
と、そこまで自分で言って、恥ずかしさのあまり照れてしまう。 あ、何か…ルビーが余裕の表情でいる雰囲気が伝わってくるような…。
「僕の事が何?」
と、やっぱり追い討ち。 しかも、微笑みながら、あたしの顔を覗き込んで。
「〜〜〜!!ッ……大すき。」
テレポート!と、RURUちゃんにテレポートしてもらって彼の前から逃げる。
部屋に帰って、ベットにダイブして…赤くなりっぱなしの頬を押さえる。
「…ほんとに大好き。」
彼の瞳からは逃げられない。
<オマケ>
「本当反則でしょ、あれ…」
なんだったんだ、あの可愛い彼女は。 僕の(←ここ大事!)ぶかぶかの服を着て、顔を真っ赤にさせながら、涙目で「大すき」だなんて。 あのままサファイアがいたら、僕の鉄壁の理性も危なかった…かも。
「僕も大すきだよ、サファイア。」
だから、彼女を離せられない、逃がせない。
**************************** 心愛ちゃんより、相互記念小説を頂きましたっ!!〃∀〃 同じお題の「ルビー宅でイチャイチャしているのを、ジムから帰ってきたセンリパパに見つかった」で、書いてもらいました♪〃ω〃 パパンの「盛るなよ」発言に、思わず吹き出してしまいました…´∀` 息子もそういう時期なんだよ、パパン。 盛らせたげなよ、パパン。←誰 乙女なサファイア、マジ美味しいです´ω`*ハァハァ しかも、彼シャツだと!?^p^/ ルビー、私と立ち位置代われ←問題発言
心愛ちゃん、素敵な小説ありがとうございましたっ!!m(__)m
この小説は、お持ち帰り出来ません。
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