視力検査1(ルサ)


「ほっ!てやっ!せぃっ!」

今日もいつもと同じように、あたしは秘密基地でちゃもと特訓をしていた。


「やぁ、今日も相変わらず泥まみれになってるね」

ニヤニヤしながら、ルビーが近づいてきた。
あたしとちゃもは特訓を止めてルビーの元へ駆け寄る。
そして、顔をルビーの耳元まで寄せて…


「ふんっ!泥まみれで悪かったったいね!!」

大声で思いっ切り叫んでやった。

「うわぁぁぁぁっ!!」
耳を押さえてうずくまるルビーを見下ろして、してやったり、と思った。

「ぅあぁ…サファイア、こ…鼓膜破けるよ…!!まだ…耳がキーンッて鳴って…るよ…!!」

ルビーは顔を歪め、途切れ途切れに言葉を言う。

「アハハ…すまんち♪」
「ふぅ…いいよ、もぅ」

ムスッとした顔で答えながら、ルビーはバッグから何かを取り出した。

それは…


「…メジャー!!」

ヤバい、採寸される!

そう判断したあたしは、すぐさまルビーから距離を取った。

「な…何するつもりったい…?」

警戒しながら、様子を伺う。

ルビーは無言でバッグから紙を取り出す。

「?」

「視力検査しようよ、サファイア」
「へ?」
予想外な言葉に、思わず変な声が出てしまった。「なして急に?」
「いゃ、前にジラーチの短冊の文字を遠い所からも読めたでしょ?あれ以来、サファイアの視力がどれだけあるか気になって気になって…」

ニコニコと笑いながら、ルビーは言った。

普段は大人びた表情だけど、こうやって笑う姿はまだ幼さを残していて…

そのギャップにあたしは、自分の顔が火照るのを感じた。そして顔を背けながら

「そんなことったいか。別によかよ」

と答えた。

「ホント!?」
「うん。ただし、ルビーも視力検査するったい!」
「良いよ♪」

ルビーはそう言うと、すぐに準備を始めた。

メジャーは、距離を測る為のものだったらしい。

少しホッとした。




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「さてと。じゃあサファイア、その足元にある線の所に立って、左目隠して」
「うん」

ルビーはアルファベットの「C」が書かれている紙を持って、あたしから離れながらこう言い付け加えた。

「そうそう、言っておくけど、この視標はCじゃないよ。ランドルト環っていうんだ」

あたしの心を読んだかのように、ルビーはニヤニヤしながらこちらを見ている。

こいつ…魔力でもあるんじゃなか?

本気でそう思った。


「んじゃ、始めるよ〜!」

ルビーは大声で言いながら、パッと紙を裏返して、らん……なんとか環をあたしに見せる。


「右」
「正解」
「下」
「正解」
「上」
「正解」

ルビーはまた、後ろに下がる。
「上」
「正解」
「左」
「正解」
「下」
「正解」



そして…



「Amazing…。サファイア…、キミの視力は左右2.5だ!!」

凄い!凄いよ!!と連発しながらルビーは拍手をした。

「アハハハ…。次、ルビーの番ったぃ!」
「うん!」


視力検査2へ続く→ 










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