語るキセキ
「冬の夜には怪談だろう」
そんな訳の分からない理由で赤司から召集がかかったのは少し前
赤司様の言うことはー?
\ゼッタ〜イ!/
を信者程では無いにしろ体に教え込まれているキセキメンバーはその日
指定通りの時間に、何故かホテルに集まった
「何するんすっかね…?」
不安そうに口を開いたのはキセキ末っ子の黄瀬
その問いに誰もがため息をつきたくなる
怪談をする、とは恐らく表向きの話だろうと
赤司と何だかんだで付き合いも長くなってきた彼らはどこかで感じていた
赤司征十郎、伊達にチートカラー集団をまとめあげてはいない
「第一、怪談をすると言うならばなぜホテルなのだよ。泊まりにするならば旅館の方が雰囲気が出るだろうに。まぁ冬に怪談の時点で間違ってはいるが…」
疑問を生真面目にも口にしたのは緑間
おは朝狂信者のインテリ美人である
そう、何を隠そう
キセキが戸惑っていたのは着替え持参でホテルに呼ばれた事である
因みにその場にいる青峰は睡眠を邪魔されかなり不機嫌であり、紫原は紫原で手持ちのお菓子にこんな時でも夢中のまま
なんとも統率性が皆無なカラー集団である
今まで黙っていた先頭の青年黒子が不意に振り向き
苦笑いを浮かべた
「皆さん…今日は寝れませんよ」
そう言ってケータイ画面を見せる
『Non Title
今日は皆で性春とやらを楽しもうじゃないか
腰が砕ける事は覚悟しておけよ
そう皆に伝えてくれ
赤司』
読み終えた緑間が頭を抱える
どうやら今夜は長丁場になるらしい
続くかもしれない