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高速で容赦なくナイフを投げてくるリボーンだが、山本はそれら全てを交わしきっていた。
「おっと。いい肩してらーーー」
「(すげー!命懸けの状況楽しんじゃってるよ!)」
「さすが野球で鍛えてるだけあるな。反射神経バツグンだ」
「そーすかねえ…」
ほめるリボーンと違い獄寺は面白くなさそうにケッと山本を睨みつけていた。
「しかし最近のおもちゃってリアルなーーー。本物のナイフにしか見えなかったぜ」
「おもちゃだと思ってんのー!!?」
あまりにもデカい衝撃を受けたツナだった。
「次の武器はボウガンだ」
「げっ。先回り!!」
「ガハハハハ、リボーン見ーーーーっけ!!」
いきなり辺りに響いた子供の声に校舎を見た一同。リボーンは一切見ていなかったが。
「今度は何だ?」
「ま…まさか」
『…あっ』
「オレっちはボヴィーノファミリーのランボだよ!!5歳なのに中学校に来ちゃったランボだよ!!」
「『うざいのでたーーっ!!』」
前回のが相当キいたのか殊夏までツナと一緒に叫んでいた。
「ボヴィーノファミリー?聞かねー名だな。リボーンさんどーします?」
『(相変わらず無視だ…)』
「続行」
「っと」
「ひいっ!」
言うとリボーンはボウガンを撃ちまくりだした。そのせいで瞬時にランボの存在は皆から無視されるものになり、「が・ま・ん」と目に涙をランボはため、こりずにミサイルを取り出しリボーンをねらうが、全く的外れにツナ達へと放ってきた。まあ、それが逆に山本に火をつけたのだがツナはそうはいかなかった。
「リボーン!!試験なんてやめよーぜ!!今の見たろ?ランボがミサイル撃ってきたんだぞ!!」
「次はサブマシンガンだぞ」
「お…おい!!」
やめる気はさらさらないようだ。
「まずは見習いの殺し屋レベルだ」
「っひゃ〜〜〜〜〜〜っ!!」
そしてまたランボはミサイルを撃ってきて見習いレベルどころではなくなっていた。そこにリボーンのとどめの一言。
「獄寺もぶっぱなしていいぞ」
「!」
「山本をぶっ殺すつもりでいけ」
「!!」
『リボーンくん何言って…!』
「(し…仕方ないよな…。リボーンさんがそういうんだから…)」
『え゛、獄寺君?』
「10代目!!!」
「!?」
振り向いたツナに、バチッとウィンクをして合図を送る獄寺。
「(よけて、くださいね)」
「へ?」
しかしツナには全くと言っていいほど伝わっていなかった。
「やれやれ。10年後のランボがやるしかねーな」
いつの間にか10年後と入れ替わっていたランボはミサイルを構えた。
「最後(シメ)はロケット弾だ」
「果てろ」
『果たしちゃダメ!!』
そして皆一斉にそれぞれの武器をぶっ放した。
「おいおい…」
「え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
さすがの山本もヤバいと顔を青ざめた。
「ぎゃあぁあぁ!!!」
ツナたちのいた場所に見事全ての攻撃が当たり、物凄い爆発が起こった。爆風を受けながら殊夏は顔全体を引きつらせる。そしてハッとすると獄寺とリボーンを見た。
『いっ…いくらなんでもやりすぎ!』
「やっべー調子にのりすぎたかも……」
『かもじゃないよ!』
「10代目ー!!大丈夫ですか10代目ーーーー!!」
「あそこだぞ」
「『!』」
砂煙がはれてくると、山本に支えられながら立っているツナたちの姿が見えてきた。
「ふー。あぶねーあぶねー」
「山本が引っ張ってくれたおかげで、た…助かったー」
おまえは本当にただの中学生か?と疑いたくなるほどの出来前だった。
「試験合格だ。おまえも正式にファミリーだぞ」
「サンキュー」
するとズンズンと獄寺が大股に山本に歩み寄り、胸倉を掴んで笑った。
「よくやった」
「!」
「10代目を守ったんだ。ファミリーと認めねーわけにはいかねえ。でも10代目の右腕はオレだからな。おまえはケンコー骨だ」
「け…ケンコー骨!?」
『なんでそこでケンコー骨?』
「前から思ってたけど獄寺って面白ぇー奴な!」
盛大に笑いながら獄寺に腕をまわす山本だったが、次には挑戦的な目になっていた。
「だがツナの右腕を譲る気はないね。おまえは耳たぶってことで」
「んなぁ!?」
「んだとコラァ?てめーは鼻毛だ!」
「なにぃ。だったらおまえは鼻クソだ」
「ぐっ」
「『(この二人ある意味息合ってない?)』」
ガガーンと衝撃を受けながら二人のやりとりを見ていたツナと殊夏。
「(つーか二人で部下気分だーーー!!!)」
やめてくれーっとツナは顔を青ざめる。
「かばんサンキューな殊夏」
『うん』
「んじゃ、部活いくわ。またなチビ」
「おう」
「しっかし、さっきの爆発といい最近のおもちゃってリアルな〜〜〜〜」
「(まだマフィアごっこだと思ってたのねーーーー!!)」
『(武ってある意味スゴいよ…)』
最後まで衝撃を与えていった山本だった。
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