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「夏目、地区企画参加するだろ?」



休み時間、北本は紙とペンを手に頬杖をつく夏目へと尋ねる。



「そういや、今日鈴木は?」

「ああ…朝からちょっと体調崩して保健室」

「んじゃあ、鈴木にも言っといてくれないか?二十名以上参加じゃないと許可おりないんだ、頼むよ」

「地区企画って?」

「あ、そっか。夏目は越して来て初参加になるな、我が区の恒例行事。裏山の旧校舎で「肝だめし」!」

「へぇ……ん?何!?」



何気無く話を流していた夏目は、我に返り声を荒げる。



「だから肝だめしv近々旧校舎取り壊しだから、今年が最後!」

「…悪いけど、おれはパスだ。多分雪野も…」

「夏目君」



断っていた夏目は、第三者の声に顔を上げた。



「参加して。頭数が足りないって頼んでるのに、ちょっと付き合い悪くない?それとも何か大事な用事でもあるの?」



メガネをかけた女子生徒の強気な態度に、しかし夏目は頷くわけにもいかない。



「ーーーー…いや、でも」

「あっ。ひょっとして夏目、おばけ恐いのか!?可愛いとこあるじゃないか」

「え…」

「そっかそっか。大丈夫、おれらがついてるって」



まさかの事実と嬉しそうに北本と西村がはしゃぐが、そういった理由じゃない夏目はその勘違いに複雑。



「よし、夏目と鈴木参加な。これで参加者20名!!今日夜七時、旧校舎前集合!!」

「おーーーーっ!!」

「夏目が来れば鈴木も来るだろうから任せたぞ」

「おいっ」



行くなどと言ってないが、これは行かざるを得ない空気。保健室で知らず呑気に寝てるだろう雪野を思い出し、夏目は盛り上がる西村達をよそにため息を吐いた。



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