という訳で、チーム分けは以下の通りに。
「絶対最初に見つけるぞ」
『手を抜くんじゃないわよ』
「御意、ご主人様」
【シエル&ダリア&セバスチャンチーム】
「さ〜て、誰のから割ってやろうかな?」
「あのイースター・エッグ、是非お手本に欲しい」
【グレイ&フィップスチーム】
「アグニ!カーリー女神の名にかけて必ず勝つぞ!」
「御意のままに!」
【ソーマ&アグニチーム】
「食材を見つけることにかけちゃプロだぜ!」
「隠せそうな所はたくさん知ってるだよ」
【バルド&メイリンチーム】
「一緒に頑張りましょーっ」
「わしらの鼻があれば楽勝じゃ!ってワーズワスが言ってる」
【フィニ&スネークチーム】
「
なんで男と!?」
「?」
【エドワード&ニナチーム】
『原則、生卵以外を狙うのは禁止よ。勝利条件はリジーのイースター・エッグを見つけて本人に届けること!』
ちなみにタナカはお茶を飲みながらゆっくり観戦。
「じゃあ始めるわよ。よ〜〜〜〜い」
エリザベスが笑顔で手を挙げた。
「ドン!!」
スタートを合図に一斉に全員走り出し、エリザベスの卵をかけたゲームが始まった。
「行くぞ!!遅れをとるな!」
「仕方ありませんわね」
言うやニナはバッと腰に巻いていたスカートを取り払い太ももを露わにした短パン姿に。
「きっ、貴様なんて格好を!女として恥を知れ!!?」
真っ赤になって怒鳴るエドワードに「まっ」とニナは頬を膨らます。
「そうやって女性を型に押し込めようとする発言聞き捨てなりませんわね」
「うわあああそれ以上近寄るな!!」
「未来の侯爵としてもっと柔軟なお考えを持ってはいかが?」
「いいからその足を隠せえええ!!!」
ーーーーパァン!
「あ…」
「「
ああああーーーー!!?」」
足を出したまま近づくニナに真っ赤になっていたエドワードの手にあるおたまの上で、卵が割れた。
「へへッ。開戦のラッパが鳴ったら油断した方が負けだぜ!」
廊下の曲がり角からメイリンがパチンコで割ったようだ。さすがは狙撃の名手。
「優勝したらアレとかソレとか着てもらおうと思ったのにィィィ!!」
「エリザベスウウウウ」
【エドワード&ニナチーム脱落】
「楽勝だぜ!」
「あっ、チェストの下にイースター・エッグ発見ですだ!!」
「おおっ」
その場を離れていたバルド、メイリンはチェストの下に顔を近づけた。
「どれどれ」
ーーーードカーン!!!「!?」
突然起こった爆発に近くにいたセバスチャンは何事かと顔を青ざめて向かった。
「そういやオレ特製のイースター・エッグも隠してたんだったぜ…」
「聞きたくありませんが一応聞いてさし上げます。
何故爆発する仕様にしたんです?」
【バルド&メイリンチーム脱落】
セバスチャンがバルドを説教している頃、庭ではフィニとスネークが卵を探していた。
「あっちから卵のニオイがプンプンだぜ!ってワイルドが言ってる」
「よーし、見つけてきますっ!」
張り切ってフィニが卵を探しに向かった。後に続こうとしていたスネークは背後でした物音にハッ!と振り向いた。
「誰だ!!ってワイルドが言ってる」
「バレたか」
建物の陰から姿を現したのはグレイだった。
「他人が見つけたの奪う方が効率いいと思ったんだけど」
「…!卵は渡さねェ」
バッとスネークがグレイに向かって人差し指をつきつけた。
「ってワイルドが言ってる」
大中小、長いのから短いの、様々な種類の蛇がグレイを囲むように出てきた。
「ゲッ!何コレキモイ!!!」
顔から血の気を引かせたグレイの肌にぞわわっと鳥肌が。
「オレらにケンカ売ったからにはその卵頂くぜ!ってワイルドが言ってる」
「ギャーーーーッボクこーゆーの苦手なんだけど!!」
ダリアが聞いたら喜びそうな事を叫びながらグレイがどうするかと危機的状況に陥っていた時だった。
ーーーーピ〜ヒャラ〜♪
聞こえてきた音色にハッとスネークも蛇も動きを止めた。
「こ…この音色は!?」
スネークとグレイは音色がする方向、屋根の上を見た。
「「!?」」
屋根の上ではフィップスが変わった形をした縦笛を奏でていた。
「そ…その笛は!ってオスカーが言ってる」
「蛇を操る笛が吹けてこそ一流の執事だ!」
下に着地したフィップスはドン、と言い切るとまた笛を奏で始めた。
「う…ううう…ッううううう…っ」
数分後。
「スネークさん、いっぱいありましたよ〜!なんか一個爆発したんですけど…」
バルド特製イースター・エッグに当たったようだ。ボロボロになりながらも笑顔で大量のイースター・エッグを回収してきたフィニは、スネークを見て悲鳴を上げた。
「わあーーーーッスネークさん!?」
スネークも蛇も目を回してぶっ倒れており、卵も割れてしまっていた。
【フィニ&スネークチーム脱落】
一方戻って屋敷内では、一室でセバスチャンが引き出しの中から卵を発見。
「どうだ?」
「どうやらハズレの様です…ところで坊ちゃん、お嬢様」
振り向いたセバスチャンは部屋の入口を見た。
「何故そんな遠くに?」シエルとダリアは入口から近づこうとせず伺っていた。
「万が一バルドのイースター・エッグだったらどうする」
『巻きぞえはごめんよ』
「私数日前に大怪我したばかりなのですが…まぁいいでしょう」
「じゃあ次に…」
「!」
ーーーーガキィッ.
ダリアが持つ卵を狙ってきたアグニのおたまをおたまで防いだセバスチャン。
「精神集中(サマーディ)状態の私の気配を察知するとは、流石です」
「ここまで気配を消せるとは、やりますね」
「ハハハハ。かかったなシエルとダリアの執事(カーンサマー)よ!!」
反対側からここぞとばかりに現れたソーマがダリアへと走り出す。
「卵はもらうぞ!!」
『くっ…!!!』
「うっ…ゴホ、ゴホッ」
「「!?」」
せき込みだしたシエルに全員がハッと顔を向けた。
「ゲホ、ガハッ…」
「シエル大丈夫か!?また発作が…」
ーーーートン.
駆け寄ったソーマのおたまからシエルが軽く卵を落とす。あれ?と固まるダリア達の耳に卵がパリンと割れる音が響いた。
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