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「天人との戦において鬼神の如き働きをやってのけ、敵はおろか味方からも恐れられた武神…。俊敏なる身軽さで戦場を駆け抜け、その身を敵の血で染め上げた舞姫…。坂田銀時、田川架珠。我等と共に再び天人と戦おうではないか」
「……銀さん…架珠さん…アンタら、攘夷戦争に参加してたんですか」


驚き疑うように見てくる新八。


「戦が終わると共に姿を消したがな。お前らの考える事は昔からよく分からん」
「俺ァ、派手な喧嘩は好きだが、テロだのなんだの陰気くせーのは嫌いなの」
『私も性に合わないから』


ストレス溜まりそう。


「俺達の戦はもう終わったんだよ。それをいつまでもネチネチネチネチ、京都の女かお前は!」
「バカか貴様は!京女だけでなく女子はみんなネチネチしている。そういう全てを含めて包みこむ度量がないから貴様はもてないんだ」
『銀ちゃんは確かにモテないが私はネチっこくないよ』
「お前女じゃねーだろ」
『んだとパー!!』
「あんだよ小学生!!」
「アンタらこの状況でケンカすんな!!」


口論は新八の叱責により一時中断に。


「俺達の戦はまだ終わってなどいない。貴様らの中にとてまだ残っていよう…国を憂い共に戦った同士達の命を奪っていった。幕府と天人に対する怨鎖の念が…」
「『…………』」
「天人を掃討し、この腐った国を立て直す。我等生き残った者が死んでいった奴等にしてやれるのはそれぐらいだろう。我等の次なる攘夷の標的はターミナル。天人を召喚するあの忌まわしき塔を破壊し、奴等を江戸から殲滅する。だがアレは世界の要…容易にはおちまい。お前らの力がいる、銀時、架珠」


そんなん言われても。


「既に我等に加担したお前らに断る道はないぞ。テロリストとして処断されたくなくば俺と来い。迷うことはなかろう。元々お前たちの居場所はここだったはずだ」
「銀さん…架珠さん…」


――――バン.

え、なに。襖が蹴破られたかと思うと、黒服集団に囲まれた。


「ご用改めである!神妙にしろテロリストども!!」
「しっ…真選組だァっ!!」
「いかん逃げろォ!!」


ちょっ、え、マジで!?


「一人残らず討ち取れェェェ!!」


黙って討ち取られるか!!

――――ゴワッシャ.

逆側の襖を蹴破り黒服共とは反対に逃げ出す。


「なななななんなんですかあの人ら!?」
「武装警察真選組=B反乱分子を即時処分する対テロ用特殊部隊だ」


テレビで税金ドロボーとかよく建物壊したりとか言われてた。


「厄介なのにつかまったな。どーしますボス?」
「だーれがボスだ!!お前が一番厄介なんだよ!!」
「ヅラ、ボスなら私に任せるヨロシ。善行でも悪行でもやるからには大将やるのが私のモットーよ」
『アンタは黙ってな!!何その戦国大名みたいなモットー!」


バカが増えて頭痛い!!


「オイ」


ん?

――――ズガン


「『ぬを!!』」


後ろからの声に振り向いて見ればいきなり刀を突きつけられた。間一髪伏せた私と銀ちゃんは誰かと顔を上げると、黒服の兄ちゃんだった。


「逃げるこたァねーだろ。せっかくの喧嘩だ楽しもうや」
『あらあら。おたくホントに役人ですか?』
「よく面接通ったな。瞳孔開いてんぞ」
「人のこと言えた義理かてめー!死んだ魚のよーな瞳ェしやがって!!」
「いいんだよ。いざという時はキラめくから」


それいつ?


「土方さん危ないですぜ」
「「『!』」」


――――ドゴォン!


「「『うおわァァァァァ!!』」」


なんだあの少年!!仲間がいるにも関わらずバズーカぶっ放してきたぞ!

死に物狂いで避けた私らは慌てて皆のもとへ隠れた。だけど銀ちゃんを見れば頭がアフロに。


「オイッ出てきやがれ!無駄な抵抗は止めな!」
「髪増えてない?」


天パーて凄いね。


「ここは十五階だ。逃げ場なんてどこにもないんだよ」


煩いな!!そんなのわかってるよ!


「?そりゃ何のまねだ」
「時限爆弾だ」


ヅラが取り出したのは時限爆弾。それを奴らにお見舞いしてその隙に逃げろと言ったヅラ。しかしそんな事を銀ちゃんが許すはずもなくヅラにつかみかかった。

その拍子に落ちた爆弾を私は手に取る。へぇー、爆弾ってこんなのなんだ。なんか青いタヌキに出てきそうな…。


「架珠、そのボタンなにアルか?」


ピッ。と何やら音がした。

アレ、何今の音。
アレ、画面に数字が。
アレ、残り一分……。


「『銀ちゃん』」
「?」
『コレ…いじくってたら』
「スイッチ押しちゃったヨ」


えへへ、と笑いながら私と神楽は言う。

…スンマッセーンッ


「オーイ出てこーい。マジで撃っちゃうぞ〜」
「土方さん、夕方のドラマの再放送始まっちゃいますぜ」
「やべェ、ビデオ予約すんの忘れてた。さっさと済まそう。発射用意!!」


――――ドゴォォン.


「「!!」」


襖を蹴破って出てきた私らに驚く真選組。走りつづける私らに更に相手は驚く。


「なっ…何やってんだ止めろォォ!!」
「止めるならこの爆弾止めてくれェ!!爆弾処理班とかさ…なんかいるだろオイッ!!」
「おわァァァ爆弾もってんぞコイツ」
「ちょっ、待てオイぃぃぃ!!」
『逃げてんじゃねーぞオメーらァァ!!』


それでも警察かお前ら!!


「げっ!!あと6秒しかねェ!!架珠パスッ」
『は!?ヤだよ返す!!』
「返すなバカ!!」
「銀さん窓、窓!!」
『投げろ!!』
「無理!!もう死ぬ!!」


ちょっ、どーすんの!?

その時私は見た。神楽が傘を構えるのを。


「銀ちゃん歯ァくいしばるネ」
「!」
「ほあちゃアアアアア!!」


――――ギャイイン.


「ぬわァァァァァ!!」


ホームランボールを打ったかのごとく銀ちゃんを傘で窓へととばした神楽。勢いよく窓を突き破った銀ちゃんは空に向かって高く爆弾を投げあげた。

――――ドガァン.

次の瞬間、爆弾は空で爆発した。私らは慌てて窓へと走り寄る。


「ぎっ…銀さーん!!」
「銀ちゃんさよ〜なら〜!!」
『いやあそこにつかまってるし!』


銀ちゃんはデパートの垂れ幕にしがみついていた。ホント、銀ちゃん凄いわ。

てかヅラの奴どこ行ったァ!!


next.

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