お前らテロなんてやってる暇があるならペロの散歩にでも行ってきな
「…これまでか」
曇天の空の下。先が見えない程の大量の天人に四方八方を取り囲まれた、三人の男女が背中合わせに膝をついていた。
「敵の手にかかるより、最後は武士らしく潔く腹を切ろう」
「バカ言ってんじゃねーよ。立て。美しく最後を飾りつける暇があるなら、最後まで美しく生きようじゃねーか」
ーーーーその男、銀色の髪に血を浴び。
『行くよ。銀ちゃん、ヅラ』
ーーーーその女、赤を纏い刃を振るい。
「おう」
「ヅラじゃない桂だ」
戦場を駆る姿は
まさしく
夜叉と舞姫――――――。
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