庭球 | ナノ

  心配性な君


「いっっ.....」


私は走っていた...体育の時間の長距離でだ
そしていつもはしないドジ、つまり足を挫くなんてヘマをしてしまった
でもってここはいつもの道じゃないので誰も通らない、後ろで走っていたから


誰か....いや、頑張るか

と、立とうとした時


「どうしたの?諱ちゃん」


と、後ろから清純の声が聞こえた
でも足音は二つ....もう一人はきっと亜久津だろう


「そっちこそどうしたの?外周でしょう?」

「そんなのもう終わったよ、つまらなかった」


さすが....というかつまらないって10周が?


「んで、どうして君はそんなところで座ってるのかな?」

「あ...えと」


心配させるのはだめだよね


「ちょっと疲れただけで....」


と、嘘をついて立とうとした時



「嘘つき」


と、清純が静かに言った


「え?」


千石はしゃがんで挫いた方の足を、思い切り指で押した


「っ.....!」

「いたいんでしょ?足...」


私の顔を無表情に覗き込んだ
そして私を俗に言うお姫様だっこと言うものをする


「うぁっ!」

「亜久津は先生にこの事言っておいて?」


いつもなら従わない亜久津も、従う


「....チッ」


「あの....恥かしいんだけれど」


私は顔を赤くしながら言った
ただ、彼はそんなこと聞いちゃいない


「あの〜?清純?」

「保健室までだから...」


二コリともしない、いつもなら笑って言う台詞さえも.....
怒っているとしても理由がわからない


「怒っているの?」

「よくわかったじゃん」

「え?」


もしかして....私の事心配なのかな
自惚れはいけないと知りながらも、ちょっと期待してしまう


「何で....」

「そりゃぁ....」

END

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