庭球 | ナノ

  君≠私=貴方


私は屋上から彼を見ていた。
見たくないのに追い続けていた
苦しくなるだけなのに


「諱ちゃん、何見てるの?」


という声も耳に入らないで、彼だけを見ている


「諱ちゃ〜ん?」
「..何?清純...」


後ろで喋りかけていた男、つまり千石に不機嫌に返事をした


「いやぁ、可愛いコがいたら声をかけるのが俺だから」


なんて台詞は前も聴いたので無視してまた、彼へと視線を戻す


「っ....」


みていると急に後ろから誰かに抱きしめられた
誰か、と思っても清純しかいないのだが


「何のまね?私そうゆうの好きじゃないって知ってるよね?」


そう呟くと千石は腕の力を強め、囁く


「もうやめちゃいなよ.....、亜久津は君のにはならないんだからさ....俺と.....」


悲しそうに聞こえた声に私と彼は一緒なのかも知れない...と思ってしまった

私は....そのまま.....


END



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