庭球 | ナノ

  ブルーマカロン


「腹減った!」


と後ろが騒ぎだした
いつもの事だから...と思ってもほおっておけるか、と聞かれると否としか答えられない


「なーなー、なんか食いモンもってねぇ?」


ほら、きた


「そういうと思った、はいこれ」


渡したのは青いマカロン


「青?珍しいな」


そりゃぁお手製だもん
丸井はラッピングを解いて、おもいっきり齧りついた


「...ブルーベリー味?」

「正解」


味を当てるのも彼の特技の様だ、この前気付いた
まぁ、なんでも美味しいのだろうけどその食べているときが好きだ


「美味しい?」


私は机に頬杖をつきながら聞いた
まぁ、丸井なら美味い!って笑顔で言いそうだけど


「ん〜....美味いけれどなんか悲しいかな?」

「悲しい?」


初めての感想に少々驚いたけれど、理由が知りたくなった


「何でそう感じるの?」


そう聞いたらとても悩んでから


「なんか...味が悲しくて寂しそうだったから?」

「さみしぃ.....」

「で、作ったの諱だろィ?もしかして諱が寂しいんじゃねェのかよィ?」


丸井はまっすぐ私を見つめた
私はその視線が心を見ていそうで怖かった
ありえないのにね


「.....かもね、...丸井はすごいや」


丸井はよくわからない、という表情をした後
にっこりと笑った

私はこの笑顔のために毎日作り続けている


END


ー美味しいな...−

ー有難うー

ーえ?ー

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