庭球 | ナノ

  僕だけの君に


「仁王君!諱を見てはいませんかっ?」

「知らんけど.....どうかしたんか?柳生」


俺はとてもお前が羨ましいんじゃ


「いえ、姿を見ていないので心配で」


君みたいに素直になれて、諱も手に入れて


「そうなんか、まぁ見つけたら連絡してやるき」


だから.......だからな?


「有難うございます仁王君!」


少しだけ、君の彼女の時間をチョーダイ?




柳生を見送ると、俺はせっせと屋上に上がった
君に嘘をついた事はバレとるかもしれんが.......
黙っているのはお前さんなりの優しさなんじゃろ


「どうかしたの?仁王」


一人、屋上で空を見ている少女がいた


「諱...」

「私はここにいるけど.......慌てるなんて珍しいね」


なんて言いながらも苦笑する君はとても可愛くて、愛しくて、だれにも渡したくなくて


「いや..ちょっとな」

「そう?」

「おん」


君の全てを壊したくて....奪いたくて......
でも守りたくもあって.....全てでいたくて


「仁王は彼女作らないのかな?」


君はカラコロと飴を食べながら聞いてきた
とてもイラついた、君にじゃなくて、気持を捨てきれない自分に


「彼女....作ってほしいんか?」


またこうやって、欲しい言葉を探しているんだ
つまらない質問を何回も繰り返す

こんなつまらない日々はいつか抜け出して
君に思いを伝えられるように

END



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