庭球 | ナノ

  ○×兄妹関係


「仁〜王先輩」


そう呼びながら私は先輩を探した
一年上の仁王先輩はある事がきっかけで今は私のお兄さんだ


「せんぱーい」


呼びつつも先輩のクラスをチラッと見ると、そこには窓際に座っている、外を見ているようだ


「先輩?」


と顔を覗くと、彼は眠っているようだ


「...おいて帰っちゃいますよ?」


..反応無しか
と思いそこを離れようとした時


「...おはよ....諱」


と、後ろから抱き締められた
寝ぼけてるのかな....


「...起きてたんですか...先輩」


と、ちょっと驚く私に不敵に笑う仁王先輩は、一言「帰るか」と言い仕度を始める

そんな姿を見ながら、さっきの笑顔を思い出す

自然と表情がにやけた
そして私は、後悔というか悲しみに追い込まれた

END


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