鳥籠から逃げたカナリアの末路




あぁ、後ろの足音がとても怖い
この足音は競歩だろうか、ゆっくりだが確実に私に近づいてくる

カツ、カツ、カツ、カツ


「千代っち〜、どこっすか?俺から逃げるとかとんだMッスね、実は苛められるの好きなんスか〜」


のんきに私に近づいてくる彼の手には首輪と南京錠、鎖、手錠
明らかに捕まってはいけない臭いがする

否、捕まってはいけないと知っている
私はさっき、彼の家から一ヶ月ぶりに出てこれたのだ

もう嫌だ、彼の居ないところに逃げたい
逃げなきゃ

私はそう重い体に鞭を打って、傷ついた足を引き摺って歩き出す
生憎ちゃんと携帯を持ってきたのが救いだった

もちろんサイレントマナー状態だ、

私はまた一寸足音が遠くなったので、誰かに電話してたすけを求めることにする
私が捕まっても、助けてくれるように

そう考えて脳裏をよぎったのは従兄弟の翔一だった

私は手早くメールを打った


送信........完了

次に電話をする


プルルッ、プルルッ、ガチャ


「どちらさんですかー」


でた!

「翔一!私だ!」

なるべく声を潜ませて電話する

「私私詐欺かいな........
て、ボケてる場合や無さそうやなぁ自分
どしたん?最近見ぃへんけど」

状況理解が早くて助かる
私は事情を話した


「まじでか、すぐ行くからまっと....」





「みぃつけた」


後ろで悪魔の声がした



2012.10.14.7:46


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