赤い痕は愛の印、青い涙は別れの名残


彼は今日も私の首を絞める
赤い痕を見て息を荒くする

その痕を恍惚の表情で見て、暫くして我に帰ったように悔しそうな悲しそうな声でごめんと謝る

悪童なのに、謝る声は母親に怒られたときの少年そのもの


「別にいいよ」


彼に優しく包帯を巻かれながら、そう微笑む

ごめんと何度も何度も謝りながら抱き締めてくる姿が痛々しく見えて、でもとっても愛しく見えた
周りの霧崎の仲間にはどうしたの首って聞かれるけど、軽く受け流す
マネージャーが不安にさせてどうするって感じなんだけど






「千代、いいか?」


練習中、花宮君に呼ばれ、ステージ裏に回る

何か言いにくそうな感じだが、決心したように、私を見た


「わかれ........ねぇか?」


苦笑しながら彼に言われる


「なんかもう飽きたんだわ、別れようぜ?てか別れろ」


そう脅すような彼の視線に、私は笑顔を顔に張り付けるしかなかった


「........私の事嫌い?」

「........嫌いだ」

「........そか」


長い沈黙

私たちは別れた

彼は私が去った後泣いた

私は彼が泣くのを見て泣いた

赤が流れ出す

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