次の日、いつも練習している時間に間に合うように起きてシャワーを浴び朝ごはんを食べる。
お母さんが珍しそうにしているが私は少食であまり食べることが少なかったためか喜んで作ってくれた。
一日一食が今までであったが、流石にあの練習量は死ぬ。
近くのコンビニでカロリーメイトとテーピングを購入して、昨日の場所へと行く。


「あ…」

「なんじゃ、その顔は。遅かったな」


いや、だって…
と籠もる私に対し、そういえばと円堂さんは口を開く。


「お主の名前は?」

「…ほんっと今更ですね、結城瑠実ですよ。
因みに小学校まだ入りたてです」


小学校に上がったばかりだと伝えると目を丸くして驚いている。
まぁ、驚くだろうなぁ…私ってよく大人っぽいって言われるからさ。
小説や漫画が好きなので感じだって使えるし、敬語だって普通に使える。

ドヤ顔で言った私に対し、円堂さんはそうか…と優しく微笑んで頭を撫でてきた。


「ちょ、いきなりなんですか…っ」

「あぁ、いや、わしの孫もこのくらいじゃったの…」


あ…そうか、円堂さんって家族に事故死したと思われてるんだっけ。
少し暗い雰囲気になりながらも練習を始めるために私たちは誰もいない早朝の公園で準備体操を始めた。
















*


「「「おはよーございます!」」」


先生の合図と同時に一斉に挨拶をする。
所変わってここは学校。
今日は月曜日で学校があるので、7時前には練習を切り上げてきた。
シャワーを浴びてから学校へ来たので、今ではさっぱりしている。

隣の席の秋ちゃんにおはよう、と挨拶をしてから席に着く。
秋ちゃんもおはようと挨拶をしてくれた。

今日の一時間目は算数で、分からないところもあったが無事プリントを全て埋めることができた。

隣の席の秋ちゃんは後ろの席の守くんに色々教えてあげている。
教えてあげてはいるが出すのは必ずヒントだけであり、そこは秋ちゃんの優しさなんだなぁ…と思う。






二時間目も終わり、今は大休憩と言われる二十分休み。
この学校では二時間目の終わりの大休憩と給食後のお昼休みがあり、チャイムが鳴るとみんなが一斉に外へと遊びに行く。

私はいつも教室で本を読んでいるので人が少なく静かになった教室を独占できる。

…はずだったのだが、何故か秋ちゃんが泣いている。

泣いている秋ちゃんに駆け寄り、どうしたの?と聞くと、こけちゃったの…と涙ぐむ。


「一緒に保健室いこ!」

「…へ?いっ、いいよ、一人でいけるし…」

「ダーメっ、けが人なんだからまたこけちゃうかもしれないでしょ?」


そう言うとありがとう、と微笑み私の手をとってゆっくりと立ち上がる。
ゆっくりと手を引きながら歩いていくと保健室の近くで守くんに会ったので、一緒に保健室に連行。


「お、おい秋、だいじょうぶなのか?」

「うん、へーき。瑠実ちゃんが一緒だったもん!」


そう言って笑い合うふたりを見ていると、保健の先生に結城さんは偉いわね。
と褒められた。褒められて悪い気はしない。

保健の先生が慣れた手つきで処置を終わらせると、教室もどろっかと秋ちゃんに問いかける。


「うん、ありがとう!」


秋ちゃんの笑顔、可愛いなぁと思いながらも守くんにも手を差し伸べる。
困惑している守くんに一言、


「一緒に教室もどろ?」


と言うとどこかで見たことあるような、太陽のようにニカっと笑った。












小学校編end
(瑠実ちゃん一緒に帰ろ!)
(うん、いいよ!)


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