中学校2年に進学し、しばらく経った頃。
とある情報(噂)を報酬にした生徒が現れた。
それは、サッカー部がなくなる…と言うものであったが私はあくまでも情報屋。
自分の掴んだ情報で根拠のある情報でないと信用しないし、できるわけがない。
他人に惑わされていても正確な情報は掴めないからだ。

そう思いながら、中学校の進学と同時に作り上げた情報提供サイト"Chrome"のメールやBBSを確認する。


「……またこれかよ」


その依頼内容は雷門サッカー部の安否についてだ。
最近こういった内容…つまり、噂を確信に変えるような情報を欲しがる輩がいる。
だがその大半は同じ人物…ミスターKと名乗る人物であり、Chromeの常連だ。
この人の依頼はあまり受けない。なぜかというとあまりにも依頼内容が多いからだ。
何を考えているかはわからないがフットボールフロンティアの情報やそのお偉いさんの情報を依頼してくることが多い。

だが、"あくまでChromeは気分"というのが暗黙のルールでありミスターKと名乗る人物もそれを承知の上で依頼をしてきている。

今更一つや二つすっぽかしても大丈夫だろうと判断し、別の依頼者の内容を確認する。
その人物は円堂と名乗っている…が、円堂は守のことだろう。
多分、いや確実に円堂守本人だ。
BBSではなくメールで依頼をしてきたということは大方風丸や秋に頼んだのだと思う。
このサイトは円堂と秋、それから風丸には正体をバラしてあるので構わないが
BBSに書き込まれれば円堂と親しい人物と思われるかもしれないのでそこはふたりが配慮してくれたのだ。

スクロールをし、依頼内容を確認する。


「…は」


思わずスクロールを止めてしまい、思考を巡らせる。
なぜ依頼内容が"サッカー部の助っ人"で"豪炎寺修也の情報集め"?
サッカー部の助っ人に行く予定もないし気もない。
豪炎寺修也のことなら…大方円堂が豪炎寺のことをすごいと思ったからだろう。


ここは屋上で、幸いなことに人が少ないため携帯の中身を確認されることはないと思うが
個人情報も詰まっているので一応そこは配慮しているので即座に閲覧履歴とネット回線を切る。
いつどこで漏れ出すかわからないので使用しないときはネット回線を切り、毎回立ち上げ時にIPを更新するようにしているのだ。


(…ま、二つ持ってるからいいんだけど)

「へぇ、結城さんって二つも携帯持ってるんだね」

「っ!?」



後ろを振り返ると、マックスと呼ばれている少年…松野がいた。



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