思い出の場所
「なつかしー!」
「オレの席はここだったな」
「俺はココ」
「僕は安定の雛香の隣〜!」
わいわいと明るい声が響くのは、並盛中学2年A組。
楽しげに笑い席に着く、そんな雛乃を眺め山本が笑った。
「この角度だと寝てても気づかれねーんだよな」
「オレはそんなことしなくても教師に一発ガンくれてやりゃ寝れたけどな」
「わ〜獄寺ただの不良!」
「誰が不良だ!ただのブラコン!」
「それ、僕にとっては褒め言葉だからね!」
わいわい、がぎゃあぎゃあ、に変わっていくのを、京子がニコニコしながら見守っている。雛香もおかしそうに口元を緩めた。
無事合流したツナ達が次に向かったのは、もう通い慣れた並盛学校。
ランボとイーピンをハルに任せ、足早に教室へ向かえば、自然と誰もが自分の席に着いていた。
(……あと、多分)
ふと、窓から外を眺め、雛香は考えを巡らせる。
もうひとつ、ここに来た理由が雛香にはあった。
学校が誰よりも好きな、――学ランのあいつ。
「……じゃあさ、次は屋上に行ってみようよ!」
「屋上?」
ツナの声に、獄寺と火花を散らし合っていた雛乃がくるっと首を回す。
「思い出いっぱいだしなー」
「初めて山本に弁当食べさせてやったっけ」
笑う山本に、雛香も懐かしそうに目を細める。
「うん!屋上!」