空色の瞳の君 04



今日はスーパーのタイムセールには確実に間に合わないわね。昼休みに頑張ったけどまだまだ生徒総会には間に合いそうにないということで放課後も残ることに。



「クシナそろそろ外が暗くなって来たから君は帰った方がいいよ」

「まだ、夕方よ?…それに私一人暮らしだから親なら問題ないわ」

「違うよ…君に何かあったら俺が嫌なんだ」

「え……」



ミナトから聞こえた言葉に胸が跳ねる。ミナトを見れば既に帰り支度を始めていた。



「ミナト…?」

「やっぱりクシナを送るよ」

「でも、資料作り」

「俺が家で少しはやってくる。それで間に合うはずだよ。ほら、帰ろう?」




私の鞄を差し出して笑うミナトの髪は夕日に照らされ輝いていた。



「きれい、……っ!///」

「何が?」

「な、何でもないってばね!」

「教えてよ……そんな真っ赤になって何を綺麗って思ったのか、」



真っ直ぐな青い瞳に見つめられると私は弱いみたい。固く結んでいた口がしゅるしゅると開く。



「………ト、」

「ん?」

「ミナトの髪が!!!」

「………」



私の叫びにぽかーん顔のミナト。だけどだんだんミナトの顔が赤くなってく……?



「ハハ、なーんだ。クシナの方が綺麗なのに……」

「な///……ミナトは私が何を綺麗と思っていると思ったの?」

「夕日」

「…夕日?」

「そ、綺麗だろ?クシナの髪と同じ色で綺麗だ」



綺麗?私の髪が?



「夕日に申し訳ないよ」

「何で?」

「私、この髪が嫌いだもん」

「なんで?……綺麗なのに」

「皆と違うじゃない」

「それ、だけ……?」

「それだけって……他にもあるけど……」

「俺は好きだよ。それに皆と違うから俺は直ぐにクシナを見つけられる。まぁ、クシナが髪を染めても直ぐに見つけるけどね…」

「ミナト、」

「片付けて帰ろっか?」



資料を片付けていくミナトを私は見つめることしか出来なかった。野球部の声援や吹奏楽部のトランペットの音色が響く中私は泣きそうになっていた。



(20101220)
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