▼ 2
玄関で扉が閉まる音が鳴る。
「ただいま」
低いトーンで一言。
「あ、りゅう、おかえりなさい。」
玄関口まで迎えに来る、明るいトーンで出迎える梓をじっと見つめ、その後力が抜けたかのようにあずさの肩口に額を寄せた。
「?、どうした?」
結構疲れてる?
「つかれた」
「そっか、」
お疲れ様、いいこいいこ
子供をあやすかのように龍の髪を撫でる。
「もう、ねる?…って、ちょ、ンン」
「無理、あずさがいい」
噛みつくようなキス
春。色々なものの始まりでもある。
最近、互いに忙しくてスキンシップが急激に減ってしまったからか。セックスももう何週間もやってない。
「ヒッ……くすぐった、」
「擽ったいだけじゃないだろ?ここ」
ラフなTシャツから覗く鎖骨を龍の親指がなぞる。
「梓だって溜まってんじゃねえの?」
「それは…」
「てか、そうじゃなくても俺が無理。あずさ不足」
prev / next
[ back to top ]
×