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「あっ、…は、はぁ」

びくん、と身体が搖れた。
月明かりのみの空間で、快楽から逃げるように瞑った瞼をそっと開けてみる。真上にはりゅう。

「あずさ」

掠れた声が梓を呼んだ。
暗闇のなか、二人見つめ合う。
手を延ばし、頬に触れた。

「ふ、ふふ」

鼻にかかった笑いが漏れた
龍がゆるやかに、ふたたび動きはじめる。

「ん、?」

「ね、きす」

その言葉が合図だったかのように、行為が激しさを増した。

「あっ、あっ…ん、ふう」

ぐちゅりとかいう水音がとまらない
肌と肌が何度も当たる音
あずさの足に絡んだシーツがあずさの動きと共に擦れる音

震える梓の脚がそろそろ限界が近いことを教えてくれる。
それを察してか龍は焦らすように深いところで蠢く
梓は梓でその焦れったさが、たまらなく好きだった。

「あっ、それきもち、い」

半泣きになりながら龍を誘う

「知ってる、擦れて気持ちいいんだろ?」

奥をカリ部分が引っ掻く

「ひっ」

もどかしい。
自身に手を伸ばし、扱き始めた
先走りが溢れ出ているせいでよく滑る

「あ、ああ」

「は、一人で盛り上がんなよ」

あずさ、と名前を呼ばれる
自身を扱きながら横目で龍を見た

「じゃあ、も、とちゃんとうごいて、」

あまり梓の方からこういう我が儘をいうことは珍しくもあって、久々にぐっときた。

「舌、だして」

べー、と素直にいうことを聞く
喰われた。吸い付かれる。

「ん、ぁ」

首のあたりが妙に火照る
龍しか知らないけれど、龍のキスはうまい方なんだとは理解できる。
一瞬にして骨抜きになるのだ。

キスに気を取られていた梓は突然の下半身からの甘い痺れになす術なかった。

「ふ、ンン、あっあ、」

さっきとは全然ちがうピストン
激しさのあまり丈夫なはずのベットが少し軋む
唇はいつの間にか離れ、龍の両手は梓の細い腰をがっしりと掴んでいた


薄目で龍を見つめると目が合った
どきり、とした
獣のように腰を振る姿に胸が高ぶった

まさに犯されてる
切ない声が途切れることなく漏れた
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