■ 15

さすがに馬鹿にしすぎだと、
真啓の方を向き文句を言ってやろうとした刹那、ふんわりと、いい匂いがした。
甘系でもなく柑橘系でもなく不思議でなんとも言い表せない匂いが鼻を掠める。

暖かい腕の中に強く閉じ込められてた
  
「な、なに…」

「寝ようと思って」

「…は?」

「一緒に寝よ」


は?寝るのこいつ
話しが飛び過ぎじゃない?

「ほら、俺の背中に腕回せ」

腕を引っ張られ無理矢理腕を回させられた

「なんなんだよ。本当に。」

「寝る前のちゅー…しとく?」

「絶対いやだ」

「そんなこと言うなよ」

頭に手を添えられ啄むようなキスをされる

「ふ、ン」

舌を絡め取られ歯の裏側をなぞられ
くちゅくちゅと音を立てる

「自分から求めてみろよ」

「んん」

薄目で真啓を見ると目があった
欲を孕んだ瞳にどきり、とした。

もっと。
そういった意味を込めて
真啓の下唇を甘噛みして
口内を舌で撫でる


ようやくキスから解放された時には
軽い酸欠状態で息が上がり
目からはじわりと涙が出て
焦点が合ってなかった

「あずみ」

名前を呼ばれて真啓を見る

「俺とこーゆーのすんの好きだろ」

何も言わず黙っていると
肯定と認識したのだろう

分かんないよ。
俺もこんな自分に焦ってるんだ


さっきのキスで口の端から垂れた
どちらのとも言えない唾液を
舐めとられ涙も舐められた。

顔のあちらこちらにちゅちゅとキスをされ
目を細めた。
「おやすみ」と頭を撫でながら言われて
何かの魔法に掛かったかのように
すぐに意識が遠のいていった。 

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