■ 10

「なんで 素手………ん」


「皮膚弱いって、おじさん言ってた」


おじさん?
ああ、父さんのことか

って。今はそんなことどうでもいい。


皮膚弱いけど、それとこれとは話が全然違う

脇の間から手が腹や脇、太腿、腰を撫でまわしてくる手つきがえろい。
乳首を摘んだり嬲ったりしてくる


もはや、これは洗ってるって言うことじゃないと思う


「ひ や………まひろ」

やばいな。おれ感じてる。


もう止めて、という気持ちを込めて後ろを向いた

深い焦げ茶色い目と目があった

「……愛澄誘ってんのか」

どうしたら、そうなるんだろう。
俺の中で一つの可能性が生まれた。

かれはゲイなのかもしれない。

普通はこういった触り方を同性にはしないと思う。
幾ら俺が人と関わらなさすぎたとはいえ、これは行き過ぎていると感じた。



「ちがっ……ふ、やだ」

「その割には、ここぐっちゃぐちゃになってきた」


ボディーソープでぬるぬるした手で
俺のモノに触れた

「ゆるく勃ってて、先走りでとろとろ」

わざと耳元でそんなこと言ってくるから
たちが悪い。
ぬるぬるした手が気持ちいい。




久々の快感に戸惑う


「ほんと…やめ 」

「こーゆー刺激、久々か、何日ぶり?」


声は優しくても
手は止めてくれない


「…………ぁ、あの日以来…、ン」


其れを聞いた瞬間、真啓が止まった

生理現象として恥ずかしい話
朝起きた時に夢精してた事は
片手で数える程はあった。
その時の自己嫌悪は相当だ
あの日以来、自分で自分を慰めるのも
気持ち悪くてしてない


「ん、こわくて、できなかった……」

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