■ 7

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生瀬真啓という人物に出逢って
数時間が経った。

初の対面がベットとは中々、驚いた
しかも会って数分で
不覚にも号泣してしまった。

今、冷静になって考えてみると
相当恥ずかしい。泣くなんてみっともない

そんな奴と…

数時間前は知らなかった人と
何故、こんな事をしているのだろう

只今、俺は風呂場の脱衣所にいる。



「ちょ…真啓」

「あ?なに?」

「なんでお風呂までついてきてるの」

意味が分からないと、
紡ぐと彼は、ふっと笑った


「一緒に風呂入るからに決まってんだろ」

「…え?」

やっぱ意味が分からないんだけど。
しかも、なんで服脱いでんの。

「ほら、愛澄も早く脱げよ」

上半身裸でジーパンという格好で
俺の服を脱がしにかかった


「…っ、やめろ」


ミラレタクナイ

「は?」

「っ、くるな」

「っちょ、おい」

俺がいきなり後ずさったから
真啓が脱がせようと掴んでいた
ワイシャツは無残にもボタンが弾けた


俺は真啓と距離をとって屈んだ。
誰にも見られたくない背中の羽の印
汚い、憎い。

いくら父さん達から頼まれたといっても
過去の事をどこまで知っているか分からない


暫くして、はぁ、と言う溜め息を聞いた
途端に少しずつ此方に近寄ってきた


ああ、どうしようもなく俺は臆病なんだ。
やっぱり人と接するのが怖い
見られて同情されるのが嫌だ

「…………っ」

腕を引かれ無理やり立たされた
肩を抱き寄せられる

真啓は上半身裸で
俺はボタンが馬鹿になってるから
素肌がもろ出ている

生身の肌と肌が合わさった
あたたかい


久々の人肌だ

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