■ 6

最後に目尻をぺろっとされ
涙を全て舐め終えると
俺の方を見てきた 

「あ。いい忘れてたけど俺は生瀬真啓、」 

「…………まひろ…。」

「おー、今日からここに居候する事になった」

「……………は?」

「其れと、お前の人間不信を治す事になったから」



何言ってんだこいつ。

「今日から今までの数年間、他人と接してこなかった分、俺と接してもらう」

「…………………なんで、」

「此れは、お前の両親からのお願いだからな」

「父さん達の……?」

「あぁ、頼まれた」


あれ以来から今まで気を遣ってくれてるのは
実感してた……
でもまさかここまでしてくれるなんて
思ってもみなかった、

「そっか」
 
「ん、今日から宜しくな」

ちゅ、という効果音の正体に気づくのは
頬に当たる柔らかいものが去った後だった

「なっ……………」

頬が熱くなるのを感じた
多分、俺いまみっともない顔だ。

「………愛澄ってさ、反応が初々しくて可愛いな」

「…っ、馬鹿じゃない」

「愛澄…………もう俺は平気?」


「触れても大丈夫?」って
顔を覗き込まれながら言われる、

正直困る、
身長差は約20cmは有るだろう、
ベットに座っててもその差が表れるから
屈んでいきなり覗かれるとドキッとする

しかも俺は美形には免疫無いから
困る。


しかし、なんでだろう。
他人と接するのがあんなに怖かったのに
この人物は怖いなんて思わない。
不思議だ。
自分でもよくわからない。



「知らない………」

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