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飲み物を買って席に戻る最中、トモちゃん達とすれ違った。
そして、私達を呼び止めたトモちゃんは微笑みながら言った。
「やよい、アンタ達何買ったの?」
「えっと、無難に烏龍茶……」
「私はリンゴジュース!」
笑顔の葉瑠ちゃんとそれを見て微笑む私。
目の前のトモちゃんが安堵の溜息を吐くのが分かった。
「……トモちゃん?」
「あ、いや……雰囲気が戻ったなって」
私はそれに苦笑を零しながら頬を掻く。
「なんか、ごめんね」
さっきの自分は結構大人気なかったと自負している。
ただ、色々と気に入らなかったのだ。
「何かあるなら頼りなさいよ」
私はトモちゃんの言葉に頷いて葉瑠ちゃんと歩き出す。
「みんなにとっても私にとってもやよいちゃんは大切な仲間だから、頼ってあげてね?」
「ありがとう……」
ニコニコと笑顔で私を振り返る彼女に、私は目元に浮かんだ涙を拭った。
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