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桃井が去った後、俺達は呆然と桃井の後ろ姿と黄瀬涼太を見比べて立ち尽くしていた。

そして、そこで口を開いたのは渋谷。

「……あんなやよい見たことないわ。アンタ何かしたわけ?」

完全に声色は怒っていて、隣で七海が慌てている。

「さっさと言いなさいよ」

「と、トモちゃん!」

俺は一度頭掻いて渋谷の前に立つ。

「何よ……」

「えーと、その辺にしとかない?試合も始まるし早く飲み物会に行こうよ!」

いつものようには笑えないけど笑顔を向ければ渋谷の腕を引き出した七海。

「……分かったわよ」

渋谷がそれに折れて黄瀬涼太を睨んで消えていく。

「あー、助かったッス……」

渋谷が消えて直ぐ、後ろから聞こえた感謝の言葉。

俺は軽く口元を引き攣らせながら笑顔でそれに頷いた。


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