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■■ヘルブラムに迫られる


気付けばいつだって私の周りには彼がいた。

「やよいー!俺っちと楽しいことしよう!!」

「絶対に嫌!こっち来ないで!!」

彼の性格はまぁ、いい人なのは分かる。

でも、何せ昔から私に対して嫌がらせかという程構ってくるのがどうも頂けない。

だからこそいつだって私は彼の幼馴染みに当たる二人の方へ飛びながら大声で二人の名を呼ぶのだ。

「ハーレクイン、エレイン助けて!!」

「もう、またやってるの!?」

「毎回毎回オイラたちを巻き込むのをやめてくれよ!」

「そんな事言わないで助けて!!」

「分かったから泣かないでよ!!」

二人も毎度毎度の私とヘルブラムの攻防には飽き飽きといった様子ではあるものの、泣きそうな私を見る度に助けてくれるから大好きだ。

私は目元に張った水の膜を腕で擦りながら二人に怒られるヘルブラムを見つめる。

「ヘルブラム、いい加減にキミもやよいが嫌がることと嫌がらないことの区別を作ってよ......」

「.兄さんの言う通りよ。毎回毎回泣かれたら私たちだって助けるしかないじゃない.....」

二人から漏れるのはため息ばかり。

パチリと私とヘルブラムの目が合った。

すると、何を思ったのかウィンクをかましてきた彼とそれを見て口元を引き攣らせる私。

ヘルブラムがゆっくりと口を開いた。

「......俺っち、好きな子ほど虐めたいんだよね」

「「はぁ!?」」

同時に重なるエレインとハーレクインの驚愕の叫びと、徐々に熱を帯びる私の頬。

ヘルブラムはただそんな私たちを見て意地悪げに笑っていた。

そして、翌日からはいつもより何故か構ってくる度合いが下がった代わりにやけに彼からのスキンシップとプレゼントが増えてたり増えてなかったりしている。

「やよいー!!」

あ、やっぱり今のなし。

今でも嫌という程構ってくる。

だから私はまた懲りずにエレインたちの元へと飛び立つ。

「助けて二人ともー!!」

まぁ、なんだかんだ言ってこの毎日も楽しかったりするから好きなんだけどね。



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