▽ 11
お腹もいっぱいになって、私たちは街中をふらふらと歩き回る。
すると、近くから騒がしい集団がこちらに向かって来ているのが分かった。
「きょくげーん!」
「うるせぇ、芝生頭!」
「そうピリピリすんなよ、獄寺!」
「山本は黙ってろ!!」
「まあまあ、落ち着いてよ三人とも……」
「テメェがボスとしてどうにかしやがれ」
「なにするんだよリボーン!」
「いちいち蹴られたぐらいで喚くんじゃねーぞダメツナが……」
私はハッとして顔を上げて目の前から段々と近付いてくるみんなを見て口を開こうとした。
でも、それを遮るようにフランが無表情で私の顔を見てこう言う。
「美桜さん、今は会うのは貴女の為にもご家族のためにもやめといた方がいいと思いますよー」
そこで、私は今は一般人で裏に関われば家族が危なくなることを思い出した。
前の家族は個性豊かで何げに強かったから早々に裏の世界に足を踏み入れることができたが今回はそう簡単にはいかない。
ぎゅっ力強く握り締めた拳。
フランはそんな私の拳に目をやるとそっと頭に帽子を被せてきた。
「ここ小道がないんで、あの人達の横を通りますが我慢してくださいねー?」
私はその言葉に小さく頷き顔を伏せる。
「いい子ですねー」
そして、フランの手によりよしよしと撫でられた頭。
彼はそのまま私の手を掴むと懐かしい声がする方向へぐんぐんと歩み始めた。
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