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▽ 6


あの後、暫く駅でフランを待つこと数十分。

漸く少し疲れた顔をしたフランが歩いてきた。

私はそれを見るなり苦笑を浮かべながら彼に駆け寄った。

「大丈夫だった?」

途端に、フランはじとりとした目でこちらを見たかと思うと少し拗ねたような声色でこう口を開いた。

「……よくも見捨ててくれましたねー?でもまあ、どうにかして来たから大丈夫ですよー」

「ふふっ、なら良かった!」

「逃げた癖によくいいますー」

「本当にごめんね。……って、そろそろ電車来ちゃう!!」

時計を見て、咄嗟に彼の手を引っ張って走り出せばフランは頭のカエル帽子を押さえながらその場から走り出す。

「フラン!スピード上げないと!!」

「……はあ、分かってますよー」

同時に先程までとは逆になった私達の位置。

フランが私の手を引き、私が目の前を走る彼の後を追う。

そして、私達はなんとか電車に乗り込むことが出来たのだった。



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