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▽ 7


フランは電車に揺られながら無表情で横に座る美桜を見ていた。

元ボンゴレ幹部の桜の守護者。

"全てを惹き付け包み込む優しき花"。

それが彼女に課せられたもの。

しかし、"全てを"と言うわりには桜の守護者は短命。

フランは前々から思っていた。

短命ならば、全てを見守ることはできないのでは?と。

だか、横で外を眺めながら微笑む少女を見るとそんな考えも消える。

桜の守護者は短命だが、繰り返す。

いつか、ボスが言っていた言葉だ。

まさか、本当になるとは思ってはいなかった。

というか、繰り返すの意味が分かってなかった。

「美桜さんー?」

「ん?」

自分の言葉に微笑みながら振り向いてくれる彼女は確かにここに存在して、今は桜の幹部ではない。

ならば、彼女には一般人として生きてほしい。

そうすれば、短命でなくなるかも知れないから。

フランは彼女の目を見つめたまま、呟いた。

「ミーは美桜さんに幸せになって欲しいですー」

「ははっ、ありがとう」

思えば、自分は前々から彼女のことが気に入っていた。

確かに、未来で会ってあとは数回会って話しただけ。

けど、それなりに仲良くなれたと思うし彼女を見てると心が暖かくなる。

「はあ、暗殺部隊失格ですねー」

"まもなく、並盛。並盛です"

彼の小さな呟きは、駅員の声によってかき消えた。



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