ぱちぱちと爆ぜる線香花火にちさきの白い横顔が照らされて、瞬くようにエナが輝く。大きく見開かれた青い瞳の中でも火花が煌めき、仄かに色づいた唇が花のように綻んだ。
「綺麗ね」
少し弾んだ柔らかな声に頷きながらも、目は手元の花火ではなくちさきの横顔に釘付けになっていた。
その視線に気付くことなく、ちさきはじっと線香花火を見つめている。楽しそうに、嬉しそうに、大事そうに。その微笑が、輝く瞳こそが綺麗に思えた。
けれど、この時間もすぐに終わってしまう。だんだん火花の勢いが衰え、ふっと消えて地面に落ちていく。輝いていた瞳からも光が消えて、翳りを帯びた。
「もっと、ずっと続けばいいのにね」
落ちた火の玉を見つめる横顔は微笑んでいるのに、ひどく寂しそうだった。
鍵垢に投げてた話として纏まりそうになかったから書きたいところだけ書いたやつ。