「それじゃ、サヨナラ」
逆光の中、Nは清々しいほどの笑顔で別れの言葉を口にした。
俺はその言葉になんと返すべきなのだろう。
じゃあな?
元気でな?
がんばれよ?
幸せになれよ?
多分、どれも違う。
俺が言うべきものは、交わすべき約束は。
「またな」
ゼクロムに乗って旅立とうとしていたNは目を丸くしてこちらを振り返った。
俺は口角を吊り上げてにっと笑ってやった。
するとNは笑みを浮かべて、またいつか、と言って飛び立っていった。
俺はただ、その背を見送った。
瞳に焼き付けるように、その黒が見えなくなるまで。
これを書いた当時は他の方々の二次創作にかなり影響されていたんだなと思います。今見ると、すごくミスミらしくないことをしてますね。