先走り過ぎたXY妄想2
*女主人公=サラ

「みんなー大ニュース!」

元気いっぱいにチョコレート色のツインテールを揺らして、日焼けした少女がこっちに向かってくる。
彼女の名前はサナ。アタシの幼馴染の1人で、唯一の女の子。

「どうしたの?」

そう問いかけると、サナはぱっと顔を明るくさせた。

「あのね、今度この町に引っ越してくるうちの子、あたしたちと同い年なんだって!」

「じゃあ、友達がふえるねえ」

きらきらとした目で話すサナに、大きな見かけによらず穏やかな口調で返したのはティエルノ。この少年もアタシの幼馴染の1人。

「どんな子でしょうね?」

そう訊いてくるのはトロバ。男にしては軟弱に見えるこの子も、アタシの幼馴染だ。
この町は子供が少ないから、アタシたちと同い年の子たちはこれで全員。そこに新たに1人加わるというのだから、みんなの興味が向かうのも無理なかった。

「おれはやっぱり、ダンスのできるやつがいいなあ」

「ティエルノはダンスが好きだもんね!あたしはやっぱり、女の子がいいなあ。一緒にショッピングしたり、ポケモンにかわいい格好させたりできたら楽しいそうだよね!」

「ぼくは一緒にポケモンの勉強をできる人がいいです」

ティエルノ、サナ、トロバの順に、みんな自分の願望を答える。
そして、流れにのってみんなの視線がアタシに向かった。

「サラはどんな子がいい?」

サナをはじめ、ティエルノはトロバも好奇心旺盛な目でアタシの答えを待っている。

「そうね」

ダンスが得意な子はティエルノがいるから足りてるし、女の子はサナがいればアタシは十分だし、ポケモンの勉強ができる子もいいけど、正直アタシの年代でトロバ以上に知識がある子がいるとは思えない。
だから、アタシが望むのは、

「ポケモンバトルの強い子、がいいわね」

幼馴染3人は、やっぱりという顔をした。

「サラより強いやつなんていないと思うけどねえ」

「まあ、どんな子でも負ける気はしないけど、少しは骨がある子がいいわ。アンタたちじゃ勝負にならないんだもの」

「その言い方はどうかと思いますよ」

「文句があるなら、アタシに1回でも勝ってみなさい、トロバ」

ちょっとだけ睨むと、トロバは身を竦めた。こいうところがダメなのよね。

「でもさ、どんな子でもきっと仲良くなれるよね!」

サナはひまわりみたいな笑顔を咲かせた。

「もちろんよ」

こんなにバラバラなアタシたちでも仲良くやれてるんだから、ちょっと変わった新入りがきたって問題ないわ。

「引っ越しの日が楽しみね」


のちに引っ越してきたイノリにポケモンバトルで負けて、サラはライバル視しだすようになる、というとこまで妄想しました。
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