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若干話がかみ合わないが。


-これってまさか-


「名前」
いつも通り屯所に遊びに来ると、すぐにはじめに呼びとめられる。
「なんだ?」
なんか…緊張してるのか?
顔が強張ってるんだけど。
「あの、な」
「うん」
「今日は非番、なんだ」
「そうだったのか」
はじめが非番って、随分久しぶりな気がする。
「だから…だな」
「何?」
「お前が良かったらなんだが…町に、出ないか」
「町に?」
それって―
「あ、逢引き?」
「ひき肉のことか!?」
「違うよ!こいつ馬鹿か!」
なんでいきなり肉の話をするんだよ!
「逢引きっていうのはな…こ、恋仲の2人が一緒に出かけるっていうか…そんな感じのやつ」
な、なんか私も恥ずかしくなってきた…
「そ、そうか…じゃあ、合い挽きだな」
「漢字が違う気がするけどもういいや!」
―ということで。
私たちは一緒に町に出かけることになった。


「土方さん。あの2人、一緒に出かけるみたいですよ」
「逢引きか」
「みたいですね。 気になるなあ…つけちゃおっかな♪」
「2人の後をつけるのはいいが俺の句集に墨をつけるのはやめろ」
「なんのことです?」
「お前の持ってる句集と墨のことだよ!」
「何はともあれ…あの2人、ちゃんと帰ってこれるといいですねえ」
「話を聞け!」


裏ではこんなことになってたなんて、私とはじめは知る由もない。




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