25


  


私は断じて小さくない。


-どんぐりの背比べ-


翌日。
「総司! 名前の方が小さいよな!?」
「当たり前でしょ」
「でもはじめは総司より小さいじゃん!」
「な…っ! 総司が馬鹿みたいに大きいだけだ!」
「馬鹿って。 ねえ馬鹿って」
未だに私たちは懲りず、言い合っていた。
「私は小さくない!」
「俺だって小さくない!」
「はいはい、いつまで言い合ってるの?」
「「うるさい!」」
こっちにとっては重要な問題なんだよ!
「あー、そう…じゃあもう僕は行くね」
あきれ顔の沖田は私たちの元をあとにした。


と。
「おーい、2人とも何してんだ?」
入れ替わるようにして現れたのは、
「藤堂!」 「平助!」
私たちの同士だった。
「ふ…平助が来たら俺の出番はないな」
と、はじめが部屋に戻ろうとする。
私はその手を掴む。
「…逃がすか!」
「く…っ! 離せ! 俺はもう関係ない!」
「関係なくない!」
「え? 何この2人?」
「第一私は藤堂より大きい!」
「馬鹿かお前は! 全然違うだろう!」
「はじめこそそんなに変わんないじゃん!」
「阿呆! この差は大きいぞ!」
ギャンギャンと騒ぐ私たちに藤堂は、
「…俺だって小さくねえし!!」
ノッてきてくれた。


その争いは原田に「どんぐりの背比べだな」と言われるまで続いた。





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