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こんなときに限って!


-金髪鬼、再び-


「「………」」
無言が続く。
なんか、何をしゃべったらいいか分からない。
でも、ずっと無言っていうのもあれだし…!
…よし!
「は、はじめ!」「名前っ!」
…同時だった。
「あ、え、えっと…」
「い、いや…」
どうすればいいの!?
歩きながら頭を抱えたそのときだった。
「…名前か?」
久しぶりに聞く低い声。
「げ…っ!?」
そう、この声は。
「やはり名前か」
俺様金髪―千景の声だ。


「ち、千景!」
「…ちかげ…」
私が言うと、はじめが怪訝そうな顔でつぶやく。
そんな声は聞こえないようで、千景は私に近づく。
「こんなところで会うとはな。 今日店は休みか?」
「そうだけど」
「そうか…ん?」
千景はやっと気付いたように、私の隣にいるはじめを見る。
「ほう…こいつはお前のなんだ?」
「「!?」」
一気に顔が熱くなる。
…こ、恋仲だなんて言えない…で、でも言わないと…!
「まさか、恋仲か」
「「!!」」
そんな私の葛藤も知らず、千景がサラッと言う。
顔が赤くなっていくのを感じる。
すると千景はニヤリと笑い、
「名前、今から茶屋に行くぞ。 お前の団子が食べたい」
とか言いだした。
「…は?」
こいつ、何言ってんの?
そう思っていると、はじめが私の手を引き、千景から距離を離す。
「…名前は渡さぬ」
そう千景を睨みながら。
「ほう…なら勝負するか?」
「望むところだ」
2人が刀に手をかける。
「…は、え、ちょっ!?」


誰か、2人を止めて!!




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