**苗字 名前**
「あー!食べた食べた!お腹いっぱい!」
「もう、名前ちゃんったらいくら食べ放題だからって食べすぎだよ」
「そうよ。一体その胃袋はどうなってるの?」
「だってせっかくの焼肉だよ?食べれるときに食べとかないとね!!」
私はお昼休み、同じ学科の千鶴と千と焼肉の食べ放題に行っていた。
女の子だけで真っ昼間から焼肉ですか?色気ねーとか言わないでね。
そこの焼肉屋は、ランチタイムは安いし肉もなかなか上質だって噂で、ずっと前から目を付けてたんだ(私が)。
それで千鶴と千を半ば強引に誘って、今日やっとその焼肉屋に行くことができたんだから!
「気持ち悪くなって午後からの研究に集中できなくても知らないんだから」
「大丈夫だよー。今日は土方先輩の研究を軽く手伝うだけだから」
「それならいいんだけど…無理しちゃ駄目だよ?吐きたくなったらちゃんと吐く。いい?」
「はいはい。言われなくてもそうするから!」
千鶴と千は必要以上に私のこと心配してくれた。
でも、そんなに言うほど食べてたかな?
確かにこれ以上食べたらさすがに吐いちゃいそうな気はするけれど、これくらいが丁度じゃない?
「じゃ、また後でね」
「お手伝いしっかりするのよ?」
「はいよー」
大学の敷地内に戻ってきた私たちはそれぞれの研究室がある場所へと向かう。
私も千鶴も千も、もう大学4年。
就職先も決まってるし、後は大学生活の集大成である卒業研究を終わらせるだけという時期に入っている。
就職難のこのご時世、工学系の学科を選んで正解だった。
国立大学だからという理由もあるけれど、工学部は就職率ほぼ100パーセント。
これで後は素敵な彼氏がいたら人生イージーモードだよね。
って思うでしょ?
実はいるんですよね、私には。
沖田総司っていう、同じ学科で同じ研究室に配属されてる頭もルックスもパーフェクトな彼氏が!
性格はちょっとだけ難ありだけどね。
でも私が勉強で分からないところがあったりすると真っ先に教えてくれたり、何かと優しいところもあるからやっぱり大好き。
私は総司のことを思い出してニヤニヤとしながら、自分が配属されている研究室へと向かった。
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