**苗字 名前**






「俺は苗字のことを好いている…だから、その…付き合ってはもらえないだろうか」

「は、はい…こんな私でいいなら」






放課後の誰もいなくなった教室。私はそこで同じクラスの斎藤一君に告白された。

一君は、私の幼なじみである沖田総司の友達だ。その関係もあって、私自身も一君とはよく話していた。

第一印象は真面目な人だなぁ。どうしてこんな人が総司と仲良しなんだろうって思ってたけど。

話せば話すほどに、一君のいいところとかいっぱい知ることができて。総司と一君の仲がいいのは、お互いにないところを持っているからなんだって妙に納得したっけ。




まぁ、そのことはいまはいいとしてだ。




私は気付けば即答していた自分に驚いてしまっていた。

どうして即答しちゃったのかは自分でも分からないんだけど、きっと無意識で答えてしまうくらいに一君のことが気になってたのかなって、自分で理由を作って納得する。







「……まさかこんなにすぐに返事をもらえるとは思っていなかった。本当に俺でいいのだな?」

「はい。よろしくね、一君」






色々と自分の気持ちが自分でも分からない部分もあったけど、一君のことは私もいい人だと思ってたから。

それに何よりも、私からの返事を聞いて今までに見たことがないくらいの嬉しそうな表情をする一君を見て…

私自身も幸せな気持ちになってたんだ。

















そうして私と一君のお付き合いは始まりました。






(しのぶれど)






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