18
この状況は一体…!?
-一夜の間違い?-
「んー…」
朝日が眩しい。
刺すようなその光に、私が目を開けると。
「…はっ?」
目の前には―正座で私を見つめる斎藤がいた。
私と目が合うと、サッと顔をそらす。
その顔は、心なしか赤い。
…え? 何? 何この状況?
「そ、その…おはよう、苗字」
「あ!? あ…はい、おはよう…」
ほんとに何なんだこの状況は…!
「…う」
なんか頭痛いし…
…………なんか薬盛られたとか?
「それはない」
「人の心を読むんじゃない!」
私が言うとまた斎藤が顔をそらしたため、私も正座をして斎藤に向かい合った。
「えーと…何か御用でしょうか?」
「…俺の部屋だけどな」
あ、そういえばここ斎藤の部屋だ。
「で、何か…?」
「そ、それは…だな…」
斎藤の顔が更に赤くなる。
何!? 私何かしたの!?
「駄目だ! 俺には聞けない!」
「はあ!? お、おい待て斎藤…!」
私がもやもやしていると、斎藤はそう叫んで部屋を出て行ってしまった。
ほんとに私何かしたの!?
もやもやしながらも店に戻ろうと廊下を歩いていると、沖田とすれ違った。
「あ、名前ちゃーん」
「…何? いつもよりニヤニヤしてるけど」
こういうときの沖田って何かあるんだよな…
そう思いながら私が身構えていると、沖田は言った。
「昨日、一くんと接吻してたよね」
「…はっ? 私が斎藤と…せっぷ△●□※♪◎!?」
「しかも「斎藤好きだ」って言ってからね」
「え!? ほんとか!? 何でだ!?」
「まあ昨日2人とも酔ってたからね、一夜の間違いってやつじゃない?」
「一夜の間違い…だと…!?」
た、確かに酔ってたみたいだし…頭痛いし…でも…
「でも、酔ってても嫌いな相手に接吻するかな?」
沖田がニコリと笑って言う。
「素直になった方がいいんじゃない? 名前ちゃん」
それは私の頭に大きく響いた。
素直になろう。
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