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またしてもでろんでろん。


-巻き込まれ、飲んだくれ-


「っしゃあ飲むぞおおおおおお!」

永倉のその一言で、みんなが飲みだす。

いつもの三馬鹿だけではなく…斎藤、沖田、土方までも。

「しかしお手柄だったなあ、斎藤!」

「巡察で浪士を捕まえるし、そんで御礼に酒は貰ったしな!」

「…お前たちはそっちが本心だろ」

「まーな!」

あはははは、とみんな笑ってる。

めずらしいな、みんなで飲んでるなんて。

私は飲めないから、少しつまんないや。


「名前も飲めよー!」

また顔を赤くした永倉が酒を勧めてくる。

「またかお前は…飲めないと言ってるだろ」

「少しくらい飲めよ!」

平助までも。

うーん…飲めないけど、今日くらいは…

「分かった、少しだけなら」

「おっ! じゃあほらよ!」

早い。 用意してたな。

私は平助から酒を受け取り、少しだけ飲んでみた。

「…う」

なんか、喉が熱い。

酒って…あんまり、美味しく、ない。




「…苗字…?」

隅でちびちびと酒を飲んでいると、苗字が近づいてきた。

心なしか、顔が赤い。

「お、おい…」

「さいとー…」

「な、なんだ…?」

いつもより虚ろな目をした苗字は―


「…さいとー、好きだ」


と言って、俺に口付け、ばたんと倒れた。

「…………」

何が起きた?

「………………ッ!?」

周りを見るとみんなでろんでろんで、見てたやつはいなそうだ。

「お、おい、苗字…?」

名前は倒れたまま寝息を立てていた。 もしかして、酔っていたのか?

だが苗字は俺に好きだといい、あろうことか口付けを…

「……………」

俺はどうすればいいのだろうか。

「…とりあえず、飲むか」

そうして俺は、半ばヤケになって酒を飲んだのだった。


本当? 冗談?





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