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今日はまさかのあの人の部屋。
-泊まってみた-
「…あの、苗字さん」
「名前でいいよ」
「じゃあ名前さんで…じゃなくて!」
目の前の男―山崎はバンッと立ち上がる。
「なんで俺の部屋にいるんですか!」
「いや…今日はここに泊まってみようかなあと」
「沖田さんか斎藤組長のところに行けばいいじゃないですか!」
「だって山崎良いやつだから…あいつら悪いやつだから…」
山崎に色々言った恨みは一生忘れない。
「それは嬉しいんですけど…男の部屋に女性って…」
「じゃあ寝るね」
「それ俺の布団です! どんだけ自由なんですか!」
「ケチ…」
「ケチじゃないです! ああもうちょっと待ってて下さい!」
山崎はスパンッと障子を開け、どこかに走って行った。
…ということで。
「…斎藤」
山崎に連れられ斎藤が迎えに来ました。
「山崎に迷惑をかけるんじゃない」
「どうぞ、連れて帰って下さい」
「やだやだやだ絶対このあと説教だもん」
「行くぞ」
「いやあああああああ!」
「お疲れ様です」
首根っこを掴まれてずるずると斎藤の部屋まで引きずられた。
もう一生山崎の部屋には泊まらない…そう心に誓った私だった。
そのあと寝るまで説教でした。
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