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鬼の副長を怒らせた。
-追いかけっこ-
「てめえ…総司いいいいいいいい!!」
鬼の大声が屯所に響く。
沖田か…沖田がまた何かしたのか。
縁側に座りながら思っていると、あっちからダダダダダという走ってくる音が聞こえる。
「あ、名前ちゃんだー、一緒に走る?」
「走んねえよ」
「え、だって共犯ってことになってるから捕まったら終わりだよ?」
「なんで!? 私何もしてないんだけど!」
「ほらほら行くよー…後ろから鬼来てるし」
「てめえらああああああ!!」
「ぎゃああああああああ!!」
全力疾走。
「はあ…は…はあ…」
「名前ちゃん足早いね」
「足はね!」
それ以外の運動はだめだけど!
「…あれ? 総司と名前?」
隠れつつ休憩していると、三馬鹿―平助と原田と永倉が来た。
「何してんの?」
「…3人でくっついて隠れてるやつらに言われたくないけど」
「いや…ちょっとやっちまってなあ…」
「「何を?」」
私と沖田が聞くと、3人は声をそろえて言った。
「「「酔って土方さんの句集に酒こぼした」」」
…終わったな。
「総司、名前、原田、平助、新八…見つけたらただじゃおかねえぞ…」
「「「「ひぃ!」」」」
「これじゃあ鬼ごっこ状態だねえ」
「「「「命がけだけどな!!」」」」
命がけの鬼ごっこ、始まりました。
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