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初見。


-監察のひと-


「…誰」

沖田の部屋から斎藤の部屋に移動していると、知らない誰かとすれ違った。

なんか…前髪短めな人。

「…もしかして、苗字さんか」

「え、なんで知ってるの」

「噂はかねがね聞いてますよ…沖田さんと斎藤さんから(予想以上に小さかった…)」

「どんな!?」

沖田と斎藤からなんて絶対良いうわさじゃないよね、それ!

「いやいや…剣道してすっ転んだことくらいですよ」

「それ1番知られたくないやつだよ! あの2人最悪だ!」

「あとは…いろいろと」

「ちょっと待って! 気になるんだけど! いろいろって何!?」

あの2人(特に沖田)なら何を言ってもおかしくない!

うわあああ! 私はしゃがみこんだ。


「あ、そういえば」

と前髪さん(命名)がごそごそと何かを探す。

「これ、どうぞ」

差し出されたのは―金平糖。

「こ、これはっ…!」

「貰ったんですが俺はあまり食べないので…良かったら」

そう言って前髪さんはニコリと笑う。

「ありがとう! 前髪さん!」

「山崎です。(前髪さん…?)」

「山崎! ありがとう!」

「いいえ」


「山崎は何番組所属だ?(ポリポリ)」

「俺は監察です」

「監察か…かっこいいな(ポリポリ)」

「いえ、組長たちには及びません」

「そうか…私が知ってる新選組隊士の中では1番かっこいいと思うが(ポリポリ)」

「ありがとうございます」


山崎はいいやつだった!





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