※幼なじみハロウィンざんすくRTありがとうございました!
オレはお前にとってどんな人間だろうかとふと思った。
物心ついた頃から、一緒に悪さして隣に並んで正義漢ぶった大人に怒られてがルーチンワーク。取っ組み合いの喧嘩も反省会も、全部ワンセットだ。
お互い思ったことを言わないと我慢ならないからため込むこともなし、言わなければ片方が感づいて話題にあげるほどだ。ベルにはあうんの呼吸って先輩たちみたいな事言うんだろーね、なんて茶化されたが、たぶんこの妙な一致感を表現するならばその表現で合ってると思う。
まあ、これだけ一緒にいれば、XANXUSの知らなくて良いこと知ってたり、それは向こうも同じだろうが、それでもオレより複雑ないろんなしがらみを持っているのも知っている。
再婚がどうだの跡取りがなんだの、ふさわしいだのふさわしくないだの。そんなこうるせえ事が本当に現代にもあんのかよ、と思うような内容を小耳に挟んだことがある。
そんな煩わしい騒音の中で、昔も今も、つるみ続けているのはオレだけだ。
腐れ縁、なんて思われてるのかも知れない。
オレからすれば、腐れ縁なんかじゃなくて意図的に後を追いかけているのだが。
XANXUSに、なんと思われているんだろうか。
その借問を取り出すのはいつでも良かった。けど、ハロウィンを口実に街中荒らし回った後に口に出したのは、XANXUSが悪事をした後機嫌が良くなるからだ。
当のXANXUSはオレの言葉に「なんだそれ」と言わんばかりに眉根を寄せたが、やはり機嫌がいいんだろう。鼻で笑いながら答えた。
「お前は空気だ」
「はぁ!?おまっ、そんなうっすい印象かぁ!?」
そんなふうにムキになって返したら、XANXUSはにやにや顔が掘られたジャック・オ・ランタンをオレに放って。
「お前の頭はそれと同じくらいすかすかだなカス。考えてから発言しろ」
ぷいっ。
いつもの機嫌に戻って、XANXUSはもう眠いからと帰って行った。しかし空気なんて言われて他にどんな解釈すれば、空気って…。
と。そこで空気について考えながら思案していれば。
印象の事を言ったんじゃなくて、現実存在するそれのことを表していたのなら。と思い至る。
空気の意味は――
“いつも自然なくらい側にあって”
“なければ死んでしまうもの”
思考が固まって時が止まった気がした。
もしかしてさっきのは。
ラッキーなモンスター
(告白だったんだろうか)
20130918(title:反転コンタクトさま).
ありがとうございました!