「ゴーストだなんて、俺は絶対信じねェからな〜!!根こそぎワッパにかけて犯罪集団として裁判にかけてやる!!警察の意地を見せたろやんけ野郎共ぉ!!」
「「「「オーーッッ!!!!」」」」



怪盗Gからの予告状をぐしゃっと握りしめ、気合を入れるガルマー警部と警官たち。しかし、後ろから聞こえてきたパリンッという音に一同は固まる。後ろを振り向けば、そこには当然の如く現れた怪盗Gの姿。



「!!」
「ご苦労さまガルマー警部vV」
「「「Gだーッ!!!」」」



Gは国宝である王冠、「リージェント」を手に取り、窓を割って外へと脱出する。下に待機していた警官を踏み台にし、屋根から屋根へと華麗に飛び移っていく。



「ヒューvV今夜もいただきますよ警部殿vVはっはっはっはっはーーー……」



パンッ!ゴッ、ドガガ!!
「ウギャ!?」



突如響いた音。その音の先には派手に転ぶ怪盗Gの姿。神田はまんまと嵌ったGに向かってニヤリと笑う。六幻が直撃していたようだ。



「よぉコソ泥。ちょっとツラ貸せよ」
「痛……ッ」
「王冠は壊すなよ、神田」
「メンドくせ」



そう言って、神田はGに飛びかかる。地面を蹴って足を振り上げ、Gに飛び蹴りをかます。それに気付いたGは急いでその場から逃げようとするが、間に合うはずもなく。神田の蹴りは見事決まった。ドゴ!ととてつもない音がする。死ーーん……、とGはその場に倒れて動かなくなった。神田は雪解けの水で額に張り付いた髪を掻きあげる。



「確保」
「ちゃんと加減したか?神田」
「待てい!!!あッお前昨日の男の方の美形!ここで何してる!?Gは警察のもんだぞコラァ!!」



Gを追ってきたのか、ガルマーと沢山の警官が神田の周りに集まってくる。神田はGを片手で掴んだまま、王冠をガルマーの元に投げて返した。



「コイツはもらってく。盗品は返してやるよ」
「わーーーーッ!!投げるな国宝!国宝!!」
「イヤイヤ!Gも置いていかんかい!」



ちょうど滑り込むようにして王冠をキャッチした警官。彼は、うわ言のようにブツブツと安全な所へ、運びます……と繰り返しながらその場から遠ざかる。相変わらずガルマーは神田を問い詰めていた。



しかし、突然様子がおかしくなった神田が引き摺っているG。少し不抜けた顔をして、こちらを見ていた。



「ここどこ……?なっ、なんだよこの格好!?オレどうしたの!?なんだよコレぇ!?なんか体中痛ぇしー!!!」
「!」
「またか……!」



何度も同じ様な光景を見てきたガルマーは、またか……!とうんざりした表情をする。突如上から聞こえてきた笑い声に、神田達は呆然とする。屋根の上には、先ほど捕らえたはずの怪盗Gがライトを浴びて立っていた。



「!!なに……っ!」
「残念でしたね諸君!ワタシは絶対捕まらないのだよ」
「チッ……、どうなってやがる」
「では失敬vV」



誇らしげに見せびらかすGの手の中にはいつの間にか王冠があり。そのことに警官達は驚きを隠せないでいた。



「あーっっ!王冠が!!」
「なんで!?」
「はっはっはっはっはっ………………ウゲッ!!?」



突如吹き飛んだG。屋根の上をドガガ!と転がっていく。そこには、Gの死角から思い切り蹴りを撃ち込んだ奈楠がいた。出遅れたアレンは少しむくれている。



『残念でした!』
「ちょ、奈楠!」
『ここにも伏兵がいたりしてvV』



いきなり現れた奈楠達に、警官がどよめく。ガルマーが美形の仲間だ!と叫べばこちらにやって来るのが見えた。イノセンスは使わずに素手で封じ込めようと、奈楠とアレンは拳を握って気合を入れる。奈楠達の傍にやって来たリンクが、彼らに注意を促す。



「王冠は絶対キズつけないように!経費で弁償できるような額じゃありませんから」
『どれ位?』
「クロス元帥の借金が笑えるくらい」
「『死んでもキズつけない!!』」



屋根の上で動かないGに、少しやりすぎたかな、と奈楠は心配になる。憑依しているとはいえ、中身はまだまだ10歳の子供なのだ。手荒な真似はしたくない所だ。かといって、事情を知らないアレン達に知られたら怪しまれることこの上ないのだが。



『ごめんね……、あんまり怪我はさせたくないんだけど』
「なんだよお前ら…………ケーサツ?」
「ちがいますけど、」



キミを捕まえようとしてるのは同じかな、とGの問いかけにアレンは苦笑しながら答えた。へぇ……と言葉を発したG。腕を上げたかと思えば、徐ろに王冠を放り投げる。あまりに唐突な光景に、3人は目を見開く。反応が少し、遅れた。



「「『……あっ!?』」」
『「経費が!!」』



ヤバイ!と思い王冠を追いかけようとするが、体は動かなかった。しかも、変な感じがする。まるで、体の内側から何かが侵入してくるような。そう思った時にはもう遅く、奈楠の意識は暗闇に引きずり込まれていった。



「(少し眠っててね、オネーサンvV)」






















ズザザザ!と滑り込み、間一髪のところで指に引っ掛かった王冠にホッとするアレンとリンク。しかし、背後から感じる違和感に2人は少しだけ冷や汗をかいた。そこには、知っているはずなのに知らない空気を纏うエクソシストの姿。



『で、なんだっけ?Gを捕まえるだっけ?』
「!…奈、奈楠……!?」
『できるかな?』


















Who are you?

(貴方の仮面を、そっと剥がして)
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