「んあ?新入りのエクソシストぉ?」



奈楠と神田とアレンは、報告書を仕上げる為に科学班の元へ来ていた。ジジはロブと共に実験をしている。あの天道虫を研究室に持ち帰ってから、連日徹夜のようで、目の下に隈が濃く浮き出ている。



「ティモシーならそこ」
「いや、ティモシーじゃなくて」



ジジが指さした先には、エミリアに扱かれ、クラウド元帥に監視されながら勉強をしているティモシーの姿。しかし、アレン達が今探しているのはティモシーでは無い為、ティモシーを見ても意味は無い。



「じゃなくて、孤児院で助太刀してくれたエクソシストですよ。あれから全然姿見ないし、名前わかんないし、報告書終わんないしー」
「お前らと一緒にいたろ!赤いのが!」
「『…………』」



リンクと奈楠は知っているが、何も口に出さず黙ったまま。それに気づかない神田とアレンは悶々としたまま。奈楠は言っても良いかな……と思っていたが、リンクが何も言わないのにはなにか事情があるのだろう、と思い、敢えて踏みとどまっていた。



『(ていうか班長と一緒に来てたんだったら、班長に聞けば良いんじゃないの?それか中央から来てるフェイ補佐官とか)』
「あー、班長の護衛だった奴か……名前なんて知らねェよ」
「えー、何でッ」
「ありゃエクソシストじゃねェって、フェイ補佐官が呼んだ中央の衛兵だ」
「「衛兵ぇ?(え、でも……レベル3倒してた……よな……??)」」



マダラオがレベル3を吸い込んだ場面を思い出した神田とアレンは、それを確信して違うと言い張る。



「「違う!衛兵じゃない!!」」
「はいはいっ、俺ぁあん時の天道虫の解析で忙しいの!!あっち行け!」
「「衛兵じゃないっ」」
「だぁ!うるせぇーっ!!失せねぇと抱きしめるぞっ!連チャン徹夜ノン風呂オヤジの体臭舐めんじゃねぇぞッ!!」
「「ギャーッ!!!」」
『なんで私まで!!?バカ!!』
「………………」






















ジリリリリリリリリリリリ



司令室に、これで何度目か分からない電話のベルが鳴り響いた。鬼のような書類の山にハンコを押し続けていたコムイは、荒々しくその受話器を取る。



「しつこいですよティエドール元帥!ティモシーはクラウド元帥の弟子に決まったんですってばッ!!」
「俺様だッ!!!!」



ティエドール元帥からの電話だと思っていたコムイは、受話器の向こうから聞こえてきたその声に少しだけ吃驚する。



「バクちゃん?」
「そっちにレニーは来たか!?」
「北米支部長のレニー・エプスタイン?」
「今からそっちへ行くッ!いいかコムイ、俺様が行くまで待ってろ!!」



その瞬間、司令室の扉が開かれ、1人の女性を筆頭に、緋装束を纏った護衛が入ってきた。不敵な笑みを浮かべ、真っ直ぐにコムイの元へと向かう。



「あら…お電話中でしたかしら、室長?」
























秘密裏の計画

(その“計画”は、既に止められないところまで、来てしまっていた)
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