終盤戦


≫top ≫▼title back

33-3.生まれ変わっておいで



 ミミューは屈みながら、トゥイードルディーの顔を覗き込む。

「でも、もうその居場所もない。だったら君が行く場所は一つだ」
「……どこに?」
「罪を償うわけだから……簡単かつ単純な答えだよね――」

 微笑むミミューに、トゥイードルディーは初めてうしろめたそうな表情を見せるのだった。何だかミミューの吐いたその言葉は他から聞けば実に単調な答えではあったが……心なしか呟く彼の顔はどこかしら重い。

「……俺」
「うん、何?」
「俺、悪い事した……」
「――うん。そうだよね」

 ミミューが静かに、同調するように頷いた。トゥイードルディーの唇が僅かに震えているのが分かった。それから、顔面いっぱいをくしゃくしゃにさせた。

 トゥイードルディーは、膝を突いた状態でいるミミューの肩先に顔をうずめて、わぁわぁと赤子のように泣きじゃくった。産声にも似たその泣き声が騒がしい筈の周囲にかき消されることなく響き渡っている。ミミューは自分の服に、彼の涙やら鼻水やらが付着しているのが分かったが何も言わずそれでも優しく笑うばかりであった。自分よりもうんと小さい彼の身体を抱きとめながら、その頭を撫でた。親が子にしてやるように。

「……おなじだ」

 ぽつんと一真が呟いた。

 返事する代わりに凛太郎が横目で一真を一瞥する。

「同じだ。あの子。僕らと一緒なんだ」
「……ハァ?」
「可哀想だね。僕らは自分で自分を可哀想だとは思わないけど、こうやって見ると本当に哀れな存在だよ。……でも、それを認めたら生きていくのが辛くなっちゃうから考えないようにするんだ」

 僕ら、という言い方からして一真はきっと凛太郎のことも含めて話しているのだろう。普段ならば笑い飛ばすか適当な反論を飛ばすかだけど、何故かそうする気にはなれず凛太郎は曖昧に頷くばかりだった。

 一真が遠くを見るような目つきをして、それから言った。

「笑えないね。全然」

 泣き声が依然、けたたましく周囲にこだましていた。




双子……

先述したチキタグーグーもそうなんだけど
人を殺しても何も感じなかったような
罪人が大事な人に出会う事で
改心するんだけど時すでに遅しっていうか
報われずにハッピーエンドいなれない系の
エピソードはマジ弱いわ。
嘆きのピエタなんかもろにそれだから
涙腺崩壊したよ。名作。



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -