終盤戦


≫top ≫▼title back

07-3.マウス・トラップ



 ぶんぶんとコバエを引き連れながらやってくるのは、例のミイラのお父さんだろう。

「げげ、またアイツなのっ!?……あたし、あいつが一番嫌なの! 勘弁して!」
「アイツって……どう見たってあれ腐ってるわよ!? 死人じゃないの、何でもアリなの!?」
「知らないわよぉ! ゾンビで溢れ返ってるんだしあれも生き返っちゃったってだけじゃないのぉお!?」

 しかし、その腐り果てた死体は先に見てきたゾンビたちのようにアブレッシブさはどこにも見当たらない。ちんと車椅子に座り(というか鎖でぎちぎちに縛り付けられている)、口を開いて噛み付いてくるような気配もない。

「……死人に見えて実は生きてる、とか?」

 ナンシーがぽつんと仮説めいた事を呟くがまりあはそれどころではない。

「も〜〜〜っ、何だっていいから逃げるのよ! 前が駄目ならこっちの部屋から!……あれだけは嫌ッ、絶ぇえっ対にイヤッッ!」

 相当なトラウマであるかのように、まりあがその首を大きく横に振って拒絶する。

 横手の部屋へと入るなり、部屋中に並んでいたフランス人形(それは愛くるしい人形なのだろうが、この状況で見るとどこか不気味であった)達に迎えられた。

『……オホホホッ!』

 そしてそのうちの一つがやはり先のシカと同じくして、けたたましい笑い声を上げる。

『さあお逃げお逃げ! 逃げなきゃすーぐ追いつかれてしまうのよォ〜〜〜! オホホッ、オホッ、ゴガッ! ゲッホ、うえっほ……オホホホホ!』

 笑いすぎで咽込みながらも、ママは何度も何度も笑いを繰り返した。

――ああ、そうだ……

 ナンシーが、さっきみた針の山を一体どこで見たのかを思い出した。そうだ、あれは子どものときに何かの資料館で目にした地獄の絵で目にしたものとおんなじだったのだ。

「……まさに地獄にふさわしい、わね」

 地中からは死者たちが蘇り、無数の災厄が降り注ぐ。――あぁ、この世は今まさに地獄と化しているのだ。それはまやかしでも、暗示なんかでもない。

――ユウ……

 その名を、まるで祈りの呪文のように思い浮かべる。

「お願い。どうか私達を守って……」

 神頼み、なんてらしくないけどそう祈るしかなかった。もはやこの状況では。




車椅子に乗ったミイラと言えば弟切草だな。
プレステ版は中学の時にやったんだけど
あいつの出現シーンほんと初見はびびるよね。
急に画面横からフェードインしてくるから
二週目からは顔を見ないように右側を手で
隠しておいたら次は左から出てきやがった。
フェイントすんじゃねーーーー!!(泣)

次はグロ注意ね!!!
いやこの話ここまで読んでる人に
警告は無意味っていうか!!!



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -